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» 2016年08月17日 05時30分 UPDATE

「売れる商品」の原動力:ブランディングとは、お客さまと企業との「幸せな関係づくり」 (1/4)

「ブランド」の本質は、自分たちと世の中とが互いに“幸せな関係”になっていくところにあります。

[井尻雄久,ITmedia]

集中連載:「売れる商品」の原動力

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この連載は、書籍『「売れる商品」の原動力―インナーブランディングの思想』(論創社)から一部抜粋、再編集したものです。

元電通社員として、数多くの新商品の開発・事業戦略の構築に関わった著者が、キーワード“誇りと愛着”を駆使して、ジェクトワン・ニビシ醤油・伊那食品など成功企業の秘密を解明。

企業や地域といった組織が、永続的な発展に向けて取り組むべきことを分かりやすく紹介します。


「ものさし」を変える

 私は事業にしても商品にしても、そのブランド力を生み出すためには、自分たちが本来持っている力、一番大事にしようとしているものは何なのかを、プロジェクトに関わるチームの皆で発見し共有することからスタートするようにしています。

 そうしないと「競争の中で勝てるものは何か」というような話にしかなりません。会議でそういう話ばかりしている企業もありますが、中長期的に見れば、そんなのはもろくて危ういものでしかないのです。

 そしてまた、“何のため”というところが見つけられず漠然としていては、いろんな方向にエネルギーが分散されてしまいます。目指すべきところに力が集約されないから、持てる力が発揮されない。すると、歳月と共にますます“何のため”が見えなくなってしまいます。

 ブランドというものを、他との比較ではなく、その会社自身、その事業自身の内なる独自性の力に見いだしていく。つまり、はやりがどうだとか、何がメディアで話題になっているとか、よその何が売れているとかいった、外側のものさしやマーケットの座標軸ではなく、自社の強み、自社のやるべきことに、視点の基軸を定めていくのです。会社や商品の強みをクリアにしていくことによって、ものさしそのものを外から内へ、相対的なものから絶対的なものへ変えていくのです。

 私はもともと広告会社で働いていたので、さまざまな企業から広告作りの依頼を受けました。それで、「この商品は誰のために、どんな価値を発揮するのですか」と尋ねていくと、広告主側で意外とそこが明確でなかったりしたことが多いのです。

 何かを作って世の中に送り出そうとする側に、その「独自性=らしさ」が不明確であれば、何を情報として発信するかもボケてしまいます。実際、そういう広告に終わっているケースは世の中には少なくありません。

 ということは、その「独自性」を発見していくことは、むしろその企業やその事業が発展していく源泉になり得るのです。その「独自性」をお客さまと共有していくことが、商品が売れ続けるという経済活動につながっていくのです。

視点の「ものさし」を変え基軸を決める(写真と本文は関係ありません)
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