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» 2016年11月04日 06時30分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:山手線・品川新駅の魅力を高める「田町始発」電車 (1/4)

JR東日本が建設している「品川新駅」について、広大な開発用地の使い道や駅舎のデザインなどが話題になった。ここで、もう1つ重要な話をしよう。駅にとって大切な列車の運行計画だ。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


 品川駅から田町駅へ向かって、京浜東北線の北行きの電車は高架線路に上り、山手線の線路をまたいで西の端に降りていく。その一瞬の高架区間から、JR東日本が手掛ける再開発エリアを見渡せる。

首都・東京の中心を環状運転する山手線(出典:Wikipedia) 首都・東京の中心を環状運転する山手線(出典:Wikipedia

 JR東日本は田町駅と品川駅の間に新しい駅を建設している。その新駅予定地と周辺の広大な開発地域はサラ地になった。京浜東北線の車窓の奥、東海道新幹線と東海道本線下り線路の手前に、新しく作られた車両留置線がある。日中なら赤とベージュに塗り分けられた電車が見える。東京と出雲市(島根県)、高松市(香川県)を結ぶ夜行特急「サンライズ」に使われる電車だ。

 この広大な敷地には、国鉄時代から続く車両基地があった。内訳は、電車の車庫として田町電車区、電気機関車の車庫として東京機関区、客車の車庫として品川客車区の3つだ。東海道本線の列車がこの基地に所属し、東京駅や品川駅を発着する列車が出入りしていた。その後、電車ばかりになったから、機関区と客車区は廃止され、田町電車区だけが残った。後に田町車両センターと改称された。

 この広大な土地を電車置き場として使ってはもったいない。おりしも、現在の上野東京ラインが計画されていた。実現すれば田町車両センターの電車たちは、東海道本線、東北本線、高崎線の基地に移転できる。

 そこでJR東日本は田町の規模を最小限の留置線にして、空いた土地を商業地として再開発すると決めた。不動産再開発のカギは交通手段である。そこで駅の新設も決まった。これが「品川新駅」と、東京都が進める品川再開発の発端だ。

JR東日本の品川開発プロジェクト。都営地下鉄の泉岳寺駅からは成田空港行き電車がある。東海道新幹線・品川駅の東京駅寄りからも近く、環状4号側に出入り口がほしい(出典:JR東日本プレスリリース) JR東日本の品川開発プロジェクト。都営地下鉄の泉岳寺駅からは成田空港行き電車がある。東海道新幹線・品川駅の東京駅寄りからも近く、環状4号側に出入り口がほしい(出典:JR東日本プレスリリース
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