ダイハツ工業は11月9日、新型小型車「トール」を発売したと発表した。子育て世代のファミリー層をメインターゲットに設定し、取り回しの良さと広い車室空間を両立させた。トヨタ自動車と富士重工業にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。
「子育てファミリーの日常にジャストフィットするコンパクトファーストカー」をテーマに、軽自動車で培った技術を応用して開発した。軽自動車と同等の取り回しやすさを備えた小型車でありながら、広い車室空間を確保。用途に応じて多彩なシートアレンジが可能で、5人乗車時にスーツケース4個を積むこともできるという。
子どもの成長に合わせて、軽自動車よりも広い車に乗り換える需要を取り込む。
エンジンは、新開発の1.0リットルターボエンジンを一部のグレードに採用。1.5リットルクラス相当のトルクを発揮する。燃費は1リットル当たり最大21.8キロ。他のグレードには1.0リットル自然吸気エンジンを搭載し、燃費は最大24.6キロ。
ダイハツは、4月に全面改良した小型車「ブーン」の企画から開発、生産までを手掛けてトヨタに供給(トヨタのブランド名は「パッソ」)。今回はその第2弾となる。同日、都内で開催した発表会で三井正則社長は「世界的にもこれからコンパクトカーが売れる。これまで培った技術を生かすチャンスが巡ってきた」と期待を示した。
トヨタから販売するブランドは「ルーミー」と「タンク」。ルーミーはトヨタ店とトヨタカローラ店、タンクはトヨペット店とネッツ店で、11月9日から販売を開始した。
トヨタ国内販売事業本部長の佐藤康彦常務役員は「トール系の小型車市場の規模は大きくなっている。(販売4チャネルの)総合力で新しいお客さまを開拓したい」と意気込みを語った。
拡大している市場では、スズキの小型車「ソリオ」や軽自動車のハイトワゴンが競合となる。
販売目標はトールが月1000台、ルーミーとタンクがそれぞれ月3750台。価格は146万3400円から(税込)。
富士重工業からは「ジャスティ」として、11月21日に発売される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング