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» 2016年11月16日 16時56分 UPDATE

“著名人パワー”で急成長:一般開放のLINE BLOG 国内ブログ市場でいかに勝つ?

LINEがブログサービス「LINE BLOG」を一般ユーザーにも開放し、ネット業界の注目を集めている。“著名人パワー”で急成長したLINE BLOGは、群雄割拠状態の国内ブログ市場で勝てるのだろうか。

[青柳美帆子,ITmedia]

 LINEがブログサービス「LINE BLOG」を一般ユーザーにも開放し、ネット業界の注目を集めている。もともと、著名人向けのブログサービスとして2014年11月にスタート。今ややタレントやスペシャリストの利用者は約2000組に上り、月間2億3600万PV(ページビュー)へと急成長している。誰でも書ける一般開放で、利用規模の拡大を加速する。

11月14日に一般ユーザーにも開放された「LINE BLOG」が注目を集めている

 これまで一般ユーザーは、著名人が書いたブログエントリを閲覧することはできたが、ブログの開設や記事投稿はできなかった。11月14日のサービス開放と同時に公開した専用スマートフォンアプリ「LINE BLOG」を使うことで、誰でもこれらの機能を使用できるようになった。

 アプリ上ではほかのSNSのようにお気に入りのユーザーを「フォロー」でき、タイムライン上に自分やフォローユーザーの新着記事が流れてくる仕組みだ。投稿した記事はTwitter、Facebook、LINEタイムラインなどで共有できる。

 PCやスマートフォンのWebブラウザからは、記事の閲覧はできるが、記事投稿やコメントはできず、ブログの投稿をアプリに限定するというコンセプトが特徴だ。アプリには記事ページをほかのSNSでシェアする機能がなく、他のSNSからはLINE BLOGへの導線があるが、LINE BLOGアプリからは他のSNSへの導線が少ないなど、いわば囲い込みの構造になっている。

スマートフォンのブラウザ版(左)、アプリ版(右)。アプリからは他のSNSへの導線が少ない

 ブログサービスとしては老舗といえる「livedoor Blog」も同社の運営だ。PCユーザーが多いlivedoor Blogと対照的に、LINE BLOGはスマホに特化。「2ブランドの両輪で、国内ブログ市場において確固たるトップシェアを築いていきたい」という。livedoor Blogの収益モデルは有料会員制と広告の2軸だが、LINE BLOGは現在広告のみとなっている。

囲い込み戦略の先陣「LINE LIVE」

 まず著名人限定でサービスをスタートし、サービスの集客性や知名度を上げてから一般ユーザーにオープンする――この手法をLINE BLOGよりも先に使ったのが、ライブ動画配信プラットフォーム「LINE LIVE」だ。

 LINE LIVEは15年12月にスタートした、生放送動画を配信・公開できるサービスだ。著名人のみに公開していた配信機能を、今年8月には一般ユーザーにも開放。同月の月間ユーザー数は1900万人に達した。配信者へのギフトなど、アプリ内でのアイテム購入が収益源だ。

 「ジョジョの奇妙な冒険」実写映画化の発表会をライブ配信するなど、ユーザーの関心が高そうな企業イベントのライブなども行って知名度を上げる一方で、ユーザーがライブ配信するとポイントがもらえるキャンペーンなどを実施し、新規ユーザーの拡大を図っている。

 特徴的なのが視聴者の属性だ。女性が57%とやや多く、24歳以下の割合が47%(そのうち10代が32%)と若年層に強い。

LINE LIVEのユーザー属性(16年9月時点)

 女性や若年層に人気のあるタレントやアーティストが先行して配信したことで、女性ユーザーの獲得が進んだ。一般開放後は、顔にアニメーションの加工を施す「LINEスタンプ」が女性配信者から支持されている。

 同様のユーザー配信機能を持つ動画サービスとして、「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」などが属するプラットフォーム「niconico」(運営:ドワンゴ)がある。同サービスの利用者は男性が66%。年齢も10代が13.2%なのに対し20代が39.9%(16年時点)と、比較的高く、LINE LIVEのユーザーはniconicoユーザーとはそう重なってはいないことが見えてくる。niconico全体の月間利用者数は約866万人で、LINE LIVEに追い抜かれた。

 Twitterで人気の生配信アプリ「ツイキャス」(運営:モイ)は累計アカウント登録者数が1000万ユーザー(15年時点)を超えている。ユーザーは女性が60%、24歳以下が55%以下(15年時点)と、LINE LIVEに近く、直接的な競合サービスになっている。

LINE BLOGはどう勝つ?

 LINE LIVEは、一般ユーザーへの開放後、一般人の人気配信者が生まれてきた。例えば、「ヒッチハイクで世界一周」を配信する酒井治美さん。LINE LIVEスタート前は無名の一般人だったが、今はLINE LIVE上でのフォロワー数は2万3000人を超え、視聴者数ランキングは首位も獲得。人気「LINE LIVER」としての地位を確立している。

一般人の人気配信者が生まれてきたLINE LIVE

 芸能人をいわば“広告塔”として利用したWebサービスは、14年にスタートしたサイバーエージェントの「755」が記憶に新しい。利用している著名人の数も約1800人とLINE BLOGに近い。しかし755は失速し、15年には「成長拡大が見込めない」とサービスの方向転換を迫られている。

 群雄割拠状態の国内ブログ市場。「FC2ブログ」が月間48億PV、「Seesaaブログ」が月間7億PV、「はてなブログ」が月間3億PV(いずれも16年時点)──と、LINE BLOGの2.4億PVという数字はまだまだ大きくはない。

 LINE LIVEで成功したようにシェアを獲得するには、一般開放前に得ていたユーザーを逃さないことと、一般ユーザーの中から「有名LINE BLOGGER」が出てくることが必要だ。今後の施策に注目したい。

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