約20年後、AIで日本の経済成長率は3倍以上に アクセンチュア調べ

» 2016年11月17日 14時22分 公開
[ITmedia]

 大手コンサルティング企業のアクセンチュアは11月17日、人工知能(AI)と労働生産性に関する調査結果を発表した。AI技術の活用によって2035年には先進国で年間経済成長率が倍増することが分かった。

2035年の各国のGVA成長率について、ベースラインシナリオとAIシナリオで比較 2035年の各国のGVA成長率について、ベースラインシナリオとAIシナリオで比較

 同調査では世界経済の総生産の50%以上を占める先進12カ国(米国、フィンランド、英国、スウェーデン、オランダ、ドイツ、オーストリア、フランス、日本、ベルギー、スペイン、イタリア)を対象に、AIの影響力をモデル化した。2035年の各国の経済規模について、従来予想の経済成長を示す「ベースラインシナリオ」と、AIの影響力が市場に浸透した場合に期待される経済成長を示す「AIシナリオ」を比較したところ、日本ではAIシナリオにおけるGVA成長率(GDP成長率にほぼ相当)が、ベースラインシナリオの3倍以上になる可能性があるという。

ベースラインシナリオと比較した場合の2035年時点でのAIによる労働生産性の向上率 ベースラインシナリオと比較した場合の2035年時点でのAIによる労働生産性の向上率

 AIによって最も高い経済効果を生むのは米国で、2035年には年間8.3兆ドルのGVAが生み出され、GVA成長率はベースラインシナリオの2.6%から4.6%に上昇するという。同様に、英国では年間8140億ドル、GVA成長率は2.5%から3.9%に上昇する可能性があるという。

 AIによる労働生産性に関しても、ベースラインシナリオと比較して2035年時点でスウェーデンが37%、フィンランドが36%、米国が35%、日本が34%向上するとした。

経済規模が倍増するまでの年数を、2035年時点のベースラインシナリオとAIシナリオで比較。労働生産性の向上により必要年数が大幅に短縮することが分かる 経済規模が倍増するまでの年数を、2035年時点のベースラインシナリオとAIシナリオで比較。労働生産性の向上により必要年数が大幅に短縮することが分かる

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