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» 2016年11月25日 06時30分 UPDATE

政府実態調査に有識者がコメント:職員実施率は3% テレワーク推進の課題は? (1/2)

官民挙げて働き方改革を推進する日本政府。民間ではテレワークなどに取り組む企業も増えてきたが、一方の官公庁の状況はどうだろうか? 総務省などがそれに関する実態調査結果を発表した。

[伏見学,ITmedia]

 安倍晋三首相の大号令の下、官民挙げて働き方改革を推進する日本政府。その具体的な取り組みの1つとして、2020年には全労働者数の10%以上が終日在宅勤務(週1日以上)するという数値目標を掲げる。

 既に在宅勤務をはじめオフィスの外で仕事をする「テレワーク」を採用する民間企業は増えているが、一方の官公庁はどうなのだろうか。内閣官房 IT総合戦略室が今年4月に発表した調査によると、2015年度の国家公務員のテレワーク実績は6841人/日と、対前年度比で約3倍に増加したものの、職員全体に占める実施割合はまだ3%強にとどまっている。また、実績に関しても府省によって大きく差があるのが実情だ。

 この実施率を全体的にもっと高めていくことが政府に求められているわけだが、それに向けた課題とは何だろうか。そのための実態調査結果をこのたび総務省が発表した。

2020年に向けて日本政府は働き方改革を推進(写真はイメージです) 2020年に向けて日本政府は働き方改革を推進(写真はイメージです)

 同調査は、総務省 行政評価局と内閣官房 内閣人事局およびIT総合戦略室が共同で、省庁のテレワークの取り組み状況や課題認識などを明らかにしたもの。2016年9月21日〜10月11日の期間で、22府省などを対象に実施した。

 調査によると、テレワークの導入がまだ試行段階なのは、農林水産省や警察庁など9府省など。その理由について、システムの追加導入やセキュリティ対策などの環境整備、テレワークに対する職場理解の向上が必要だとする。また、テレワークの対象職員に一定の要件を設定するのは17府省で、例えば、子育てや介護などの事情で職場勤務が困難である職員(人事院や防衛省など)、特定の部署に勤務する職員(内閣法制局、外務省)などを対象としている。対象業務については20府省が限定していないとする。

 テレワークに使用可能な端末に関しては、業務用端末と私用端末の両方とも使えるのが総務省、業務用端末と貸与公用PCが使用可能なのが経済産業省で、そのほかは貸与公用PCのみ(16府省)、貸与公用PCおよび私用端末(4府省)となっている。

 テレワークの勤務単位や実施回数については、18府省が時間単位で可能、12府省が回数に上限を設けていない。

警察庁や復興庁は2014〜15年のテレワーク導入実績は0。府省等でまだ大きな温度差がある(出典:平成27年度国家公務員テレワーク実績等の結果) 警察庁や復興庁は2014〜15年のテレワーク導入実績は0。府省等でまだ大きな温度差がある(出典:平成27年度国家公務員テレワーク実績等の結果

 一方、テレワーク推進に向けた課題は何か。システム環境面では、9府省がLAN環境の改善や、機密情報に対するセキュリティ強化を挙げる。職場環境面では、7府省が職場の理解や意識の向上が必要だとする。加えて、テレワークを実施する職員の勤怠管理についても4府省が課題認識を持っている。

 府省によって実施状況や課題感にばらつきがあるわけだが、今後テレワーク導入を促進するために、先行的な取り組みの横展開などは可能なのだろうか。総務省の本調査担当者によると、府省ごとに仕事の内容や制度、PCをはじめとする業務用システムなどが異なるため、先進的な府省の担当者を招いた説明会など、当面は部分的な展開にとどまるのではないかとする。

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