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» 2017年04月03日 06時00分 UPDATE

発売から1年:「どうせ売れない」を覆した「もぎたて」大ヒットの理由 (1/3)

2016年に706万ケースを販売したアサヒビールの缶酎ハイ「もぎたて」。これまで、売れる酎ハイをなかなか生み出すことができなかった同社が、なぜ大ヒット商品を生み出せたのか。

[鈴木亮平,ITmedia]

 2016年に大ヒットした缶酎ハイの新商品といえば、間違いなくアサヒビールの「もぎたて」だ。

 もぎたては2016年4月5日の発売から1週間で70万ケース(1ケース:250ミリリットル×24本換算)を突破。その後も勢いは止まらず販売計画の1.6倍のペースで推移しながら、年間で706万ケースを販売し、同社の缶酎ハイやカクテル缶を扱うRTD事業史上、最大の販売記録を更新した。

 同社は2001年にRTD市場へ参入して以来、なかなかヒット商品を生み出すことができず、2013年には過去最低の売り上げ(RTD事業)を記録していた。

 もぎたての開発プロジェクトリーダーを務めている宮广(みやま)朋美さん(マーケティング本部)も「アサヒビールの酎ハイは売れない。取引先の小売りや流通だけでなく、社内でもそんな空気がありました」と当時の状況を話す。

 そうした中、宮广さんはどのようにしてこの新ブランドを生み出したのだろうか。

photo 2016年に大ヒットした缶酎ハイの「もぎたて」

居酒屋の「生搾りレモンサワー」を目指せ

 宮广さんは2009年に入社。11年にRTD事業部配属となり、13年から新ブランド(もぎたて)の開発を任された。その当時、RTD業界全体の市場が伸び続けているにも関わらず、同事業部の売り上げは過去最低にまで落ち込んでおり、経営陣からも「RTD事業部の成長が一番の経営課題」と言われていたという。

 世間で売れていた他社の酎ハイは、アルコール度数7%以上のレモンとグレープフルーツのフレーバー。宮广さんは「当社もその王道(売れる)要素を取り入れた商品を何度も開発してきましたし、逆にニッチな市場を攻めた商品にもチャレンジしてみました。しかし、ヒット商品は生まれませんでした」と振り返る。

 どうすれば売れる酎ハイを作れるのか――。宮广さんは原点に立ち返り、まずユーザーが抱いている「(缶)酎ハイに対する潜在的な不満」を徹底的に掘り起こそうと考えた

 “理想の酎ハイ”を実現するために5000人規模のアンケート調査と360人のインタビュー調査を実施した。特に力を入れたのがインタビュー調査。これまで同社は商品開発において100人を超えるインタビュー調査を実施したことはほぼなかったが、潜在ニーズを引き出すためには数をこなす必要があったという。

 「もっと詰めよう、もっとニーズを引き出そう――と、のめり込んでいくうちに気が付いたら当社史上最大規模の市場調査になっていました」

 調査は納得いくまで続けた。当初は2014年に発売する予定だったが、調査期間は約3年を要し、2年遅れの2016年の発売となった。

 この徹底したニーズ調査で見えてきたのは、これまでの酎ハイには「人工的な味(雑味)や香りがある」という不満があること。そして居酒屋にある「生搾りレモンサワー」のように、新鮮で雑味もなく果実感溢れる酎ハイが理想だということだった。

 それを実現するために宮广さんが決断したこととは……?

photo もぎたての新フレーバー「新鮮 オレンジライム」
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