LINEが台風の目になる? 会話型AIの世界“いま”が分かるビジネス塾(1/3 ページ)

» 2017年06月15日 06時00分 公開
[加谷珪一ITmedia]

 米Googleは、会話型AIサービス「Googleアシスタント」の日本語版を5月29日にスタートさせた。天気、地図などの各種検索や、予定の確認、リマインダーの設定といった従来のサービスをスマホと対話しながら操作することが可能となる。英語版のサービスは既に2016年から始めていたが、ようやく日本語にも対応した。

 このサービスを利用するためには、Android6.0、7.0のOSが入った端末が必要であり、今後、数週間かけて対象機種に機能が追加されていく。多くの利用者がこのサービスを受けられるようになるまでには多少時間がかかるが、日本語でのサービスが始まった意味は大きい。

photo 会話型AIサービス「Googleアシスタント」

 同社は、同じく英語版を先行発売していた音声認識スピーカー「Google Home」についても、日本語対応製品を年内に発売する見通しを明らかにしている。Google Homeは、室内に置いておき、利用者は話しかけるだけで、Googleアシスタントのサービスを利用できるというもの。スマホを持つ必要がなく、AIが人の会話と指示を聞き分けるので、家庭におけるAIサービスの本命と期待されている。

 音声認識スピーカーの分野ではAmazon.com(アマゾン)が先行しており、同社の製品である「Amazon Echo」は、既に2500万人以上の利用者がいると推計されている。Appleも6月5日、スマートスピーカー「HomePod」を12月に発売すると発表したほか、国内勢ではLINEやソフトバンクが同様のサービスを年内に開始するとしている。

 現時点においてはアマゾンのシェアが圧倒的で、それにGoogleが続くという図式になっており、Appleをはじめとする後発組には勝ち目がないように思える。だがAIが持つポテンシャルの大きさを考えると、必ずしもそうとは言い切れない。今後、AIによって提供できるサービスの水準によっては、容易に順位が入れ替わる可能性があるからだ。では新しい会話型AIのサービスは私たちの生活やビジネスをどう変えていくのだろうか。

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