AI(人工知能)に自分の仕事が奪われるかもしれない――。あなたはそんな不安を感じていませんか?
20XX年、オフィスにはAIがあふれ、公園には失業者があふれる日がやってくるのか。答えは「否」である。AIをうまく活用することで、いまよりも生産性を引き上げることが可能なのだ。
「そんなことを言われても、イメージができないのでよく分からないよ」と思われたかもしれないが、心配無用である。本特集「営業部 AI課」では、最新の事例を紹介しながら、私たちのこれからの働き方も提案していく。
いまを知り、これから鍛えることで……。「AIと一緒に働くことが楽しい!」そんな日が必ずやってくる。
人工知能(AI)が眼鏡の“お似合い度”を教えてくれる――。眼鏡ブランド「JINS」を展開するジンズが提供しているサービス「JINS BRAIN(ジンズ・ブレイン)」だ。インターネット上の試着サービスとして提供することに加え、店舗の接客ツールとしても活用を始めている。「似合う眼鏡が分からない」という悩みに対応し、満足度を高める役割を担う。
JINS BRAINのサービスは、2016年11月に開始。ネット通販を利用する際に眼鏡をバーチャルで試着したい、という要望に応えるほか、似合っているか判定したい、というニーズに対応することが狙いだ。お似合い度を判定する機能は実店舗でも活用できるため、オンラインショップと実店舗の両方でサービスを提供している。
店舗で接客しているスタッフ約3000人によって、眼鏡をかけた人の画像約6万枚を評価。そのデータを機械学習したAIが、眼鏡を試着した人の写真を判定し、お似合い度のスコアを算出する。店舗スタッフの知見とセンスが集約されたAIだ。
男性と女性で感性が異なることから、スタッフの評価データを性別で分け、男女別のAIを用意した。「異性からどう見られるか」を気にするという意見があったからだ。「将来的にはスタッフ以外の評価データも集めて、例えば『面接官』や『女子大生』などに“受ける”眼鏡をおすすめすることも想定している」と、同社デジタルコミュニケーション室マネジャーの向殿文雄氏は話す。
実際にPCでJINS BRAINを使ってみると、眼鏡のバーチャル試着が簡単にできた。Webカメラで顔写真を撮影し(顔写真データのアップロードも可能)、眼鏡の形や色を選ぶと、顔の上にフレームが表示される。それをAIが判定し、パーセンテージでお似合い度が出てくる。無難なフレームだけでなく、普段は選ばないような形や色も気軽に試し、「こんな形のフレームが似合うのか」といった発見もあった。お試し感覚で楽しく利用できる。
以前にも、眼鏡のバーチャル試着サービスはあった。16年3月から提供している「JINS VIRTUAL-FIT(バーチャルフィット)」だ。しかし、アプリをインストールして、自分の顔の動画を撮影する必要があり、手間と時間がかかる。JINS BRAINではその反省も生かした。「Webブラウザ上で、複雑な説明を読む必要もなく、さくさくと使える」(向殿氏)という操作性を実現した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング