大宮駅と浦和駅、埼玉の中心はどっち?エスタブな浦和、先進の大宮(1/3 ページ)

» 2017年07月31日 08時00分 公開

 2001年、旧大宮市と旧浦和市、旧与野市が合併して、さいたま市が誕生した。念願の政令指定都市となったわけだが、以前も、そして以後も、浦和と大宮では対立が絶えず、大きな危険をはらんだ合併となった。

 そもそも、浦和・大宮が町だった昭和6年(1931年)から合併構想はあったが、浦和・大宮の両役場の仲が悪いために交渉は決裂し、お互い単独で市制施行となったのである。以後、県庁所在地である浦和市は県都として行政機関が集中し、文教都市として栄えてきた。

 氷川神社の門前町・大宮は、古くから商工業が盛んだったが、明治時代に国鉄大宮工場ができたことにより鉄道の街として大躍進。交通の要衝となり、商都として繁栄を誇ってきた。上越・東北新幹線開業で駅ビル、駅周辺に大型商業施設ができると、埼玉を代表する街としての地位を確固たるものとした。こうして、それぞれ独自に発展してきた両市の合併は、いわば呉越同舟の様相を呈し、さまざまな局面で熱いバトルを繰り広げている。駅もその例外ではない。

大宮駅は県内ナンバーワンのターミナル駅、浦和は分身の術で対抗

 駅の規模は、新幹線も止まる県内ナンバーワンのターミナル駅・大宮駅が浦和駅を圧倒する。京浜東北線、宇都宮線、湘南新宿ライン、高崎線、埼京線、川越線、東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線、東武野田線、埼玉新都市交通伊奈線など13もの線が乗り入れているのだ。対して、浦和駅は京浜東北線、宇都宮線・高崎線、新宿湘南ライン、上野東京ラインのみの停車駅。比較にならないほどの格差がある。

 しかし、「浦和」と名のつく駅の数では大宮を圧倒するのである。これはまた、さいたま市を訪れる人を混乱に陥れる「どこ浦和駅?」問題でよく知られていることだが、列挙すると、JRの浦和駅、東浦和駅、南浦和駅、西浦和駅、北浦和駅、中浦和駅、武蔵浦和駅、そして埼玉高速鉄道の浦和美園駅と計8駅。対する大宮はJR大宮駅など計5つ。「比較の基準としてどうなの?」という突っ込みも覚悟しつつ、浦和の総力戦をたたえたい。

大宮駅と浦和駅には京浜東北線が停車する
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