ZOZOTOWN、26時間サーバダウンの影響は「限定的」業績は好調

» 2017年08月01日 10時25分 公開
[ITmedia]

 ファッションECサイト「ZOZOTOWN」などを運営するスタートトゥデイの柳澤孝旨副社長は7月31日、6月14〜15日に発生したサーバダウンが業績に与えた影響は「1日の売り上げが年間の売り上げに影響することはない。誤差の範囲であり限定的だった」と説明した。

 6月14日午前6時ごろから15日午前8時30分ごろまでシステム障害が発生し、サービスが利用できない状態になっていた。決算会見で柳澤副社長は「データベース上のトラブルで障害が発生した。外部からの攻撃ではなく、個人情報の漏えいは一切ない」と改めて経緯を説明。ZOZOTOWNは大規模なリニューアルを行っており、今後はこうした障害が起こらないように伝えているという。

新規ブランドやツケ払いで業績は好調

 2017年4〜6月の連結業績は好調。売上高214億円(前年同期比39.4%増)、営業利益79億円(59.3%増)、純利益55億円(54.5%増)と成長しており、ZOZOTOWNやZOZOUSEDの年間購入者数も673万人と過去最高を更新した。新規購入者の増加もさることながら、アクティブ会員数(過去1年間に1回以上購入した会員数)も安定して増加しており、ユーザーが定着していることがうかがえる。

売上高は前年同期比で伸び
新規購入者・アクティブ会員が安定して増加

 好業績の要因は(1)新規出店ブランドの増加、(2)ツケ払いなど決済手段の拡充、(3)ブランドクーポンなどのキャンペーンの3つだという。

 ツケ払いは、5万4000円(税込)以内の注文なら商品購入から最大2カ月間、支払いを遅らせることができるサービスで、GMOペイメントサービスが決済代行を担当している。未成年の購入者などの支払いが難しくなるケースも懸念されているが、購入者を増やす効果は着実に出ており、今後も継続して押し出していくようだ。

ツケ払いをプロモーションした前四半期は、新規会員の増加により年間購入金額が下がったが、第1四半期は持ち直しを見せた

 通期は、売上高1000億円、営業利益320億円、純利益222億円を見込む。この目標を達成するために、第1四半期は控えていたプロモーションの展開を、ファッションアイテムの単価が上がる秋冬に当たる下半期に積極的に開始するという。

 業界全体の課題となっている物流問題は、もちろんスタートトゥデイにも影響を与えている。これまでZOZOTOWNは、配送料、返品送料、即日配送料を無料にする有料会員サービス「ZOZOプレミアム」「ZOZOプラチナム」を提供していたが、7月31日に終了。今後即日配送は一律1注文あたり350円(税込)で受け付ける。契約しているヤマト運輸とは引き続き交渉中であり、「ヤマトさんと協力しながらやっていきたい」(柳澤副社長)という。

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