分裂騒動収束のビットコイン、新宿マルイで決済可能にbitFlyer社長が経緯を語る(1/2 ページ)

» 2017年08月07日 15時45分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 「仮想通貨『ビットコイン』の分裂危機が注目を集めていたが、その危機は過ぎ去った。今後はファッション業界でもビットコイン決済を普及させたい」――ブロックチェーン企業最大手bitFlyerの加納裕三社長はこう話す。

 bitFlyerは8月7日、丸井グループのデパート・新宿マルイ アネックス(東京都新宿区)へのビットコイン決済の試験導入を開始した。女性客の多い同店舗への導入により、全体の20%程度にとどまる女性のビットコインユーザーをさらに増やす狙いがある。実施期間は10月31日まで。

photo 新宿マルイ アネックス(Googleストリートビューより)

 加納社長は「独自のクレジットカード『エポスカード』を展開するなどFintech(IT技術を活用した金融取引技術)に注力されていることから、丸井グループを導入先に選ばせていただいた」と経緯を話す。

 「2016年までは、女性のビットコインユーザーの比率は約10%以下だったが、認知度の向上によって17年は約20%に倍増している。店舗の特性上、女性客が多い新宿マルイ アネックスへのビットコイン決済の導入により、女性への普及を促進したい」(加納社長)

photo bitFlyerの加納裕三社長=左、新宿マルイ アネックスの土屋充店長=右

 決済は、店員がタブレット上の店舗向け決済アプリに購入代金を入力すると、アプリが決済時のレートをもとに日本円をビットコインに換算。決済情報を反映したQRコードを作成する。顧客がbitFlyerが提供する決済アプリ「bitFlyer ウォレット」でQRコードを読み取ると、送金が完了する仕組み。決済に要する時間はわずか数秒だ。

 ただ、現時点ではPOS(購買データ管理)システムとは連動しておらず、「試験導入中に一定の成果を得て正式導入が決まった場合は、POS企業と交渉してデータを連動させる方向で検討したい」(加納社長)という。

photo 購買の様子

 新宿マルイ アネックスの土屋充店長は「ビットコインは現在、家電量販店や飲食店を中心に導入が広がっており、今後もさらに発展していくと考えている。当店も顧客の利便性を向上するために導入を決めた」と話す。

 bitFlyerは17年4月、家電量販店大手ビックカメラの都内2店舗にビットコイン決済を試験導入。当初は訪日外国人の利用を見込んでいたが、日本人ユーザーの想定を上回る利用があり、7月26日から国内全店舗に正式導入した。

 土屋店長は「丸井グループが今後、ビットコイン決済を全店舗に導入するかは未定。試験導入期間中の顧客の反応を踏まえて検討したい」とした。

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