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» 2017年10月20日 07時00分 公開

新規事業に次々と「挑む」:本当に変えるべきは「社内文化」――IDOMの挑戦

新規事業を次々にスタートしているIDOM。いかにして“挑戦する”体制を整え、新たなスタートを切ったのか?

[ITmedia]

 中古車買い取りビジネスを中心に展開していたガリバーインターナショナルは、2016年7月に社名を「IDOM」に変更した。中古車のC2Cプラットフォームである「ガリバーフリマ」や、月額定額で車を自由に乗り換えられる「NOREL(ノレル)」など、「挑む」の名の通り新規事業を次々にスタートさせている。

 自動運転技術やシェアリングエコノミーなど、自動車を取り巻く環境が劇的に変化するなか、IDOMはどのように新規事業に挑戦できる体制を整えたのか。IDOMの新規事業・人事・広報担当執行役員 北島昇氏が、ITmedia ビジネスオンラインとITmedia エンタープライズが共催するセミナー「働き方を本気で変える 〜急成長している企業は『働き方』が違う、『速さ』が違う〜」で語った。

北島昇氏が語るIDOMの変革とは?

「文化を変える」という観点

 IDOMは自らのサービスを「CaaS(Car as a Service)」と位置付け、自動車の売買や貸借をそれぞれサービス化して提供している。シェアリングエコノミーや自動車のネット接続の分野についても、今後積極的に投資していくと北島氏は言う。

 「社内では『MOBILITAINMANT COMPANY(モビリテインメント・カンパニー)』になろうとうたっている。MOBILITAINMANTは『MOBILITY(モビリティ/移動)』と『ENTERTAINMENT(エンターテインメント)』からなる造語。移動事業に新たな意味や彩りを付与していく狙い」(北島氏)

IDOMの「CaaS」(Car as a Service)

 IDOMとして新しいスタートを切る際、社内で「なぜ我々が配車アプリのようなサービスを作れなかったのか、本気で議論した」という。その結果、技術や戦略の誤りということよりも、未知の領域へチャレンジできる風土が足りなかったのではないか、という結論に達した。IDOMではこの結論を「文化」という言葉に落とし込んだ。

 「文化こそが生き残るための武器。当初は人事制度改革のみ行うつもりだったが、『文化を変える』という観点を設けることで視野が広がった。経営の高度化や組織の再定義なども文化の改革として進めている。『文化』という言葉にあらゆる取り組みを内包している」

新規事業開発室を解散した理由

 人事制度の再構築では、給与等級ごとの必要要件や、キャリアパスなどを刷新した。相対評価だった評価制度を絶対評価に変え、評価者の感覚だけで判断することがないよう、昇級に必要な条件を明確にした。

 「最もこだわったのは、挑戦を続ける社員を最優先すること。文化を変えていくために、リスクを負ってでも会社を成長させたいというマインドを尊重したかった」

 また、2017年初めには「新規事業開発室」を解散させた。これから新しいビジネスを展開しようという矢先、新規事業開発室を解散させるのは一見矛盾しているように映る。

 「新規事業開発室は、経営側に対する提案と、実際に事業を立ち上げる2つの機能があった。前者は、経営側にいちいち上申するのではなく、経営側が責任を持って『この事業をやる』と決めればいい。後者は、全社員が新規事業を遂行できる能力を持つべきだ。それぞれの領域に吸収させることを目的に、新規事業開発室を解散させた。自動車産業の変化に食らいつくには、従来の枠組みではスピードが足りない」

新規事業開発室を解散した理由とは?

「面白い仕事が人を呼び、人が機会を引き寄せる」

 IDOMは多種多様なバッググランドを持つ人材を積極的に採用しており、その多彩さを北島氏は「まるで動物園」と例える。彼らの経歴は自動車メーカーやITベンチャーなど多岐にわたり、「自動車産業自体がこれから面白くなると、興味を持って来てくれている」と北島氏は語る。北島氏の役職が「新規事業・人事・広報担当執行役員」となっているのも、あらゆるつながりを良しとしているためだ。

 「新たな仲間を求めるとき、人事として採用するのか、会社ごと買収するのか、大学と連携するのか――『HOW』が違うだけであって、目指しているゴールは一緒」

「出会いの機会損失」を防ぐためには?

 「面白い仕事が人を呼び、人が機会を引き寄せる」をキーワードに、広報のミッションも「IDOMの成長機会を引き寄せる」と再定義した。IDOMのビジョンやコア事業、課題認識を発信していき、人材や情報が自然と集まる状況を作るという狙いがある。

 「『MOBILITAINMANT COMPANY』を掲げた理由も、面白い仕事とは何かを定義するため。IDOMという会社は何者なのかを定義して、きちんと自己紹介ができなければ人とつながることはできない。自分たちが魅力的で面白いチームであることが、変化を続けるために一番大事なのではと考えている」

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