なぜあの人が? 採用活動に駆り出される社員の共通点常見陽平のサラリーマン研究所(1/2 ページ)

» 2017年11月03日 06時00分 公開
[常見陽平ITmedia]

 新卒採用(大学生)は、3年生の3月に企業の採用広報活動が始まり、4年生の6月に選考活動が始まることになっているのだが、もうとっくに始まっている感がある。インターンシップという名の会社説明会的イベントは頻繁に開催されているし、そのインターンシップのための合同説明会なども行われている。

 今日はその採用関連の話をする。テーマは「採用活動で声が掛かる社員、掛からない社員」についてだ。つまり、「なんで、アイツなんかが会社の採用ページに出ているのだろう?」「何で、俺は会社説明会に呼んでもらえないのだろう」みたいな疑問に応える企画である。

 会社の採用ページ、就職ナビ、会社説明会、面接、内定者懇親会などにかり出される社員はどのようにして決まるのか。結論から言うならば、これは採用戦略と連動している。どのような人材を採用するのかという方針があり、その上で人選が行われる。つまり、求める人物像に対して響きそうな人が選ばれるわけだ。

 例えば、イノベーター型人材を採りたい場合は、画期的な新規事業や、珍しい案件を手掛けている変わり者風の社員を表に出す。「保守的な会社だと思ったが、こんな変わった人がいるのか」となびいてくる。もっとも、本当に変わっているので、彼はパンフレットなどに出ることによって、ますます浮くのだが。

 また、「この会社、ベンチャーだけど大丈夫なのか?」と不安に思われないように、大企業から転じた社員を紹介するケースも多い。大手からも人が入る企業なら安心だと思うのだ。もっとも、この手の人は社内で“大手風”を吹かせていて嫌われていたりするのだが。

photo 採用活動に駆り出される人の特徴とは?

 そう。人選の基準は、単に優秀かどうかだけではない。例えば、圧倒的な成績を誇る営業マンなどはいかにも選ばれそうだが、“厳ついタイプ”はこの手の企画に呼ばれない。学生にとっては魅力的ではないからだ。

 もちろん、実力が全てという企業や、社内での“気遣い”によりそういうタイプが選ばれることもある。ただ、その場合、学生から支持されるかどうかは分からない。まあ、ある意味、現実を見せているとも言えるのだが。

 同様に、メーカーなどにありがちなのだが、社内で優秀だと言われる人たちが、地味でコツコツ系の人だったりするパターンもある。これらの人に採用活動に協力してもらうと、逆にイメージが下がってしまうので起用しない。そう、イメージ戦略は非常に大切なのだ。

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