「残業(長時間労働)は仕方ない」はもうやめよう新人記者(応援団長)が行く(1/3 ページ)

» 2016年10月17日 06時00分 公開
[鈴木亮平ITmedia]

新人記者が行く:

 アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら


青柳 電通の新入社員が過労自殺したというニュースが話題になっていますね。


鈴木 僕と同じ歳だというのもあって、かなりショッキングなニュースだったなあ。同社では91年にも入社2年目の社員が過労自殺する事件があったわけだけど、なぜ長時間労働の問題はなくならないのだろう。


青柳 確かに、今でも違法な長時間労働で企業が摘発される事件はよく起こっています。いま政府は「働き方改革」に力を入れて取り組んでいますけど、本当に長時間労働を是正することができるのでしょうか。


鈴木 よし。労働問題の専門家、常見陽平さんに話を聞いてみよう。


常見陽平氏に聞く 長時間労働問題

photo 常見陽平氏(出典:陽平ドットコム〜試みの水平線〜)

鈴木: 政府が「働き方改革」を打ち出し長時間労働を是正しようとするなか、電通の新入社員が過労自殺するという事件が起きました。いま、この長時間労働問題について世間の関心は非常に高まっています。

常見: はい。単に長時間労働を是正するだけでなく、仕事をすることによって人が死ぬ、傷つくことがあるという現実とどう向き合うべきか真剣に考える必要がありますね。自殺未遂などの“自殺予備群”まで入れると、かなりの数がいるんですよ。

鈴木: 要因の全てが仕事によるストレスと関係しているわけではありませんが、確かに日本では自殺予備群が多いという調査結果もあります。

常見: 危険なのは、そうした精神状態になっていることに自分自身や周囲がなかなか気付けないということ。今回の件も、自分が気が付かないうちに深刻な「うつ状態」になってしまった。そして、SNSで自分の状況を発信しているのにも関わらず、周囲はその異変に気付くことができなかったわけです。

 実は私も昔、仕事のストレスでうつが発症し、突然倒れたことがあるのですが「こんな状態だったら死んで楽になりたいな」――と、自然に思ってしまった経験があります。

鈴木: そうだったんですね。長時間労働やプレッシャーなどによって精神を病んでしまう……こうした日本の労働環境は本当に変わっていけるのでしょうか。

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