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» 2017年11月07日 06時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:コメダが“コッペパン”に注力し始めた理由 (1/3)

コメダ、ドトールがコッペパン専門業態に進出。幅広い層に支持されており、ヒットしている。大手コーヒーチェーンがコッペパンに力を入れる狙いとは?

[長浜淳之介,ITmedia]

 今、吉祥寺(東京都武蔵野市)では、長蛇の列ができることで知られるメンチカツの「さとう」に、勝るとも劣らない行列店が「ハーモニカ横丁」の一角に突如出現し、話題になっている。それが、コッペパン専門店の「パンの田島」である。

 午前11時前から人が集まってきて(午前8時オープン)、夜7時まで行列が途切れない。吉祥寺なので顧客は暇な学生が多いのかと思いきや、列にはシニア世代、主婦も多く見られ、性別・年代を問わず幅広い層に支持されている。まさに市民レベルのブームだ。

 そして、このパンの田島がコーヒーチェーン「ドトール」とのコラボ店だと看板に掲げているため、街に衝撃が走っている。

photo 連日行列の「パンの田島」

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イートインスペースでコーヒーを提供

 パンの田島では「焼きたて」「揚げたて」「作りたて」の3つにこだわっている。最良のパンを提供するため、早朝から生地を仕込み、作り置きせずこ小まめに焼き、具材は全て自家製とのこと。

 注文を受けてから、店頭で店員がコッペパンにマーガリンを塗ったり、具材を挟んだりしており、しかも外から作業過程が見えるオープンキッチンになっているため、ライブ感から人々の関心を呼んでいる。

 同店は老舗ベーカリーチェーン、サンメリーが開発した新業態店だ。サンメリーは東京都と埼玉県を中心に40店ほどを展開。スペインから取り寄せられた石窯を使う「石窯パン工房 サンメリー」を主力業態としている。年商は45億円。

 パンの田島は2015年6月、横浜市港北区の東急東横線・綱島駅前にテイクアウト専用の1号店をオープン。綱島店が評判となり、埼玉県川口市、武蔵小山、自由が丘、笹塚、吉祥寺と出店している。今年になって4店を立て続けに出し、5月に出店した自由が丘店に初のイートインを設置。8月に出店した笹塚店、吉祥寺店にも、イートインが設置されている。

 それらイートインで提供されている「田島ブレンド」と呼ばれるコーヒー(税込250円)がドトールの商品だ。これまでは田島ブレンドがドトール製であることを伏せていたが、吉祥寺店で初めて公表したのが真相である。

 サンメリーは2009年に、ドトール・日レスホールディングスに買収されており、ドトールとは同じ企業グループに属している。コラボレーションすることで、シナジー効果を起こしたい考えだ。

 両社の広報によれば、「詳しいブレンドの詳細は公開していないが、ドトールチェーンで提供するコーヒーとは違って、コッペパンに合うものになっている」とのこと。実際に飲んでみると、スッキリとした味わいで食事を引き立てられる。

 吉祥寺店のイートインは2階にあり、パンやコーヒーを購入して階段を上がって休むことになるが、木材と古めかしいガラス窓や照明で昔の学校風に造り込まれており、廊下には黒地に白抜きで書かれた「喫茶室」「職員室」「トイレ」の札が掲げられている。教室に見立てた喫茶室には黒板が置かれ、そこに先述の3つのこだわりが板書されている。店員も給食室の職員の衣装を着ており、このような世界観の構築も人気を後押ししている。

photo 「学校風」のイートインスペースでくつろげる
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