居酒屋「塚田農場」の“弁当”が絶好調の理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/4 ページ)

» 2017年04月11日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 居酒屋「塚田農場」(エー・ピーカンパニー)の弁当が売れている――。

 JR品川駅のエキナカ商業施設「エキュート品川サウス」に2015年12月に出店した弁当屋「塚田農場OBENTO&DELI」。その日商はコンビニでトップの集客を誇る「セブン-イレブン」と同等の売り上げを上げているという(数字は非公開)。1号店の好調を受けて、2016年12月にはJR上野駅「エキュート上野」に2号店を出店した。今後もさらに拡大させるとしている。

photo 塚田農場の弁当「星空の黒牛 贅沢牛めし御膳」(税込1500円)

 塚田農場といえば、地鶏専門の居酒屋だ。宮崎県日南市「みやざき地頭鶏(じとっこ)」、鹿児島県霧島市「黒さつま鶏」、北海道新得町「新得地鶏」を売りにした店を全国に151店展開している(2017年2月末時点)。産地直送の流通を築き、流通コストを抑えることで、消費者にとって高額で手が出なかった地鶏を身近なものにした。

 エー・ピーカンパニーはこの塚田農場を事業の主力とし、設立から12年後の2013年9月に東証1部上場を達成した。ただ、既存店の対前年同月比の売り上げが2014年5月から34カ月連続で減少するなど、居酒屋としての塚田農場は成長性に陰りが出てきている。

 そうした中、弁当屋としての塚田農場は好調そのもので、エー・ピーカンパニーが追求してきた「優良生産者直結」の味が顧客に強く支持されている。居酒屋チェーンが弁当事業を手掛けて成功した例を過去に聞かないが、なぜ同社は成功しているのだろうか。

photo 「塚田農場OBENTO&DELI」

新刊、出ました!

 ITmedia ビジネスオンラインの人気連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ)を発売しました。

 本連載「長浜淳之介のトレンドアンテナ」の人気記事の中から「厳選」したものを、掲載しています!“驚き”の発想で急成長する外食企業たちの戦略をもっと知りたいという方は、お近くの書店やECサイトなどでどうぞ。

 →『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ)


       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.