東芝は11月22日、毎週日曜夜に放送中の国民的アニメ「サザエさん」(フジテレビ系列)の番組スポンサーを2018年3月末に降板することを正式決定した。1969〜97年は単独で、98年以降は複数スポンサーの1社として番組を支援してきたが、構造改革の一環で契約を打ち切る。
東芝は「(サザエさんは)歴史ある優良な番組で、当社のブランドイメージの形成に大きく貢献したが、一定の役割を果たしたと考えたため降板に至った」(広報担当者)と理由を説明している。
サザエさんの主な視聴者である子持ちの家族に訴求するため、白物家電のCMを中心に放映してきた。しかし近年の経営不振に伴い、16年に白物家電事業を中国Midea Group(美的集団)に売却。それ以降は、CMを展開する効果が薄れていたという。
東芝は「近年の事業見直しに伴い、当社が提供する製品が法人向け寄りになっているため、現体制でCMを打つ意義を見直す必要性が生じていた」(同)という。
東芝の撤退が報じられ始めた11月上旬、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長がサザエさんの後継スポンサーに立候補。フジテレビに交渉の進捗状況を聞いたが、「スポンサー契約に関する質問には答えられない」(企業広報室)と回答した。
また、「東芝日曜劇場」として親しまれてきたTBS系列のテレビドラマ枠「日曜劇場」のスポンサーも18年3月末をもって降板することも明らかにした。
東芝は「人気の高い地上波番組の提供を2つとも打ち切る形になったが、今後別の地上波番組をスポンサードする予定は今のところない。CM戦略の方向性は、妥当性をみながら検討していきたい」(同)としている。
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