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» 2017年12月01日 15時40分 公開

さらなるM&Aも:MVNO首位「楽天モバイル」、サブブランドにいかに勝つ? (1/2)

楽天のMVNO(仮想移動体通信事業者)で、ユーザーから高い人気を獲得している「楽天モバイル」。Y!mobileやUQ mobileなど大手キャリアのサブブランドにどう対抗するのだろうか。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 楽天が2014年に参入し、MVNO(仮想移動体通信事業者)契約者でシェアトップの「楽天モバイル」。11月には「FREETEL(フリーテル)」を買収するなど、規模拡大を急いでいる。ただ大手キャリア(携帯電話事業者)のサブブランドが勢力を伸ばしており、競争は激化。MVNO勢として描く勝算は。

photo 楽天モバイルの公式Webサイト

契約は140万回線に

 楽天の大尾嘉宏人 執行役員によると、FREETELの買収で楽天モバイルの契約数は140万回線を突破。「Y!mobile」(ソフトバンク)などMNO(移動体通信事業者)を除いたMVNO市場では、インターネットイニシアティブ(IIJ)のMVNO「IIJmio」(97.2万回線)を抜いてシェア首位となった。

 大尾嘉氏は「良いペースだが、参入当初に掲げた1000万契約にはまだ遠い。少しでも早く目標を達成できるよう加速していきたい」という。

photo 楽天モバイルの契約数

 契約者増に貢献しているのが、独自色の強い料金プランだ。中でも、9月から提供する、高速通信容量を使い切った場合でも約1Mbpsで通信できる「スーパーホーダイ」が好調。新規ユーザーのうち約7割が同プランを選択しているという。

photo 楽天の料金プラン「スーパーホーダイ」

 データ通信容量が20〜30GBと多い「大容量プラン」も人気で、ネットを頻繁に使用する20〜30代の獲得につながっている。ユーザー層は20代が前年比10%増の23%となり、20・30代合計では全体の53%を占める。

 大尾嘉氏は「スマホが欠かせないユーザー層に受け入れられている。サブブランドの影響でMVNOは苦しい状況だと思われがちだが、楽天モバイルの新規契約者数は2桁成長を遂げている」と自信を見せる。

 売り上げの具体額は非公開だが、15〜17年の年平均成長率(CAGR)は+136%と好調に推移しているという。これを支えるのが、「楽天市場」など楽天が持つサービス群とのシナジーだ。

 9月に楽天市場のキャンペーン「楽天スーパーセール」と連携したところ、6日間で7000台超の端末が売れた。「楽天スーパーポイント」での支払い率も1年間で約4倍に増えているという。

 「グループシナジーを生かしたキャンペーンは広告費の削減にもつながっている。サブブランドの14分の1程度のCM投下量で同等の認知度を獲得できている。Y!mobileもポータルサイト『Yahoo!JAPAN』などと連携しているが、当社のサービス群で十分に対抗できる」(大尾嘉執行役員)

 ただ、事業全体の業績については「単月での黒字化ができている程度。広告費の支出とのバランスをみながら改善していきたい」との説明にとどまった。

photo 「楽天スーパーセール」の効果

FREETEL事業へのインフラ投資も実施

 FREETEL事業は、18年1月15日以降をめどに楽天モバイルに統合する予定。以降もFREETELのサービスの内容・料金は変えずに提供を続けるが、サービス名は「FREETEL」を外したものを使用する。

 買収時に実施したユーザー調査で、FREETELユーザーはデータ通信の速度と電話の通話品質に不満を抱えていることが分かったという。このため、楽天は11月末にFREETELの通信インフラを整備し、ネット接続を高速化。18年春には「FREETELでんわ」を「楽天でんわ」と同じ回線にし、通話品質の改善を図るという。

 大尾嘉氏は「インフラへの投資額が増えてしまうのは否めないが、FREETELユーザーに『楽天モバイルブランドになって良かった』と思ってもらえるよう、今後も努力を続けていく」と説明。「効率よく顧客基盤を拡大するため、既存の顧客を育てるよりもM&Aの方が効率が良いと判断した場合は、他のMVNO事業者を買収する可能性はある」と展望を話した。

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