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» 2018年01月11日 17時40分 公開

17年は6%減:キリン、苦戦の新ジャンルに新商品 攻勢で立て直し急ぐ

キリンビールは、苦戦する新ジャンルカテゴリーに新商品「本麒麟」を投入。ビール市場全体の縮小傾向が続く中、低価格商品の立て直しを急ぐ。

[加納由希絵,ITmedia]

 キリンビールは、ビール系飲料の新ジャンル商品のてこ入れに乗り出す。2017年はビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)の中でも、新ジャンルが苦戦。巻き返しを狙った新商品も伸び悩み、課題克服が叶わなかった。18年は新商品「本麒麟」を投入。主力ブランド「のどごし」シリーズに次ぐブランドとして定着を目指す。ビール市場全体の縮小傾向が続く中、低価格商品の立て直しを急ぐ。

photo キリンビールが新ジャンル市場に投入する新商品「本麒麟」

新ジャンルが大きな課題に

 17年の販売数量は、ビール類全体で前年比4.3%減。市場全体では2%程度の減少を見込んでいることから、市場を上回る減少幅だった。足を引っ張ったのは新ジャンル。ビール、発泡酒がそれぞれ約3%減だったのに対し、新ジャンルは6.1%減。新ジャンル市場全体では1%程度の減少にとどまる見通しであるため、競合と比べて大きく減らしたことになる。

 新ジャンルは16年も苦戦し、17年は復権を狙っていた。新商品「のどごしスペシャルタイム」を投入したものの、販売目標を大幅に下回った。夏場の天候不順に加え、6月の酒税法改正でビール類の店頭価格が上昇。また、年初から新しい社内ガイドラインを導入して販売奨励金を減らしたことで、上半期から店頭価格は上がっていた。

 布施孝之社長は1月11日の事業方針発表会で「6月以降、缶酎ハイなどのRTD(Ready to Drink)商品や量販店のプライベートブランドへの流出が加速した」と振り返った。

 新ジャンルの再成長を目指して3月13日に発売するのが、新商品の本麒麟だ。家具ではニトリ、衣料品ではユニクロなど、「低価格でありながら高品質」の商品に需要があることに注目。ビール系飲料に求められる「ビールに近い味覚」に近づけるため、さわやかな苦みが特徴のドイツ産ホップを使用し、雑味を取り除く長期低温熟成の製法を採用した。アルコール度数は6%。

 また、アルコール度数7%の「のどごし STRONG」の発売も控える。布施社長は「量販店からの新商品の評判は良い。今年は手応えを感じている。課題を克服したい」と意気込む。18年の新ジャンルの販売目標は前年比5.4%増を掲げる。

photo 「本麒麟」の意気込みを語ったキリンビールの布施孝之社長(左)

「一番搾り」リニューアルは成功

 一方、ビールは堅調だ。市場縮小で17年の販売数量は前年を下回ったものの、看板商品「一番搾り」のリニューアル効果が出ている。9月のリニューアル以降、缶商品は前年同月比10%前後の増加を毎月続けている。新規ユーザーを獲得できたことが要因だという。「これまでにたくさんのリニューアルを経験してきたが、今回は過去最高の大成功。この流れで、さらなるうねりを起こしたい」と布施社長は語る。

photo リニューアル後、好調が続く「一番搾り」

 ビール市場の活性化という意味では、4月にビールの品目定義が変更されることも追い風だ。果実など、ビールに使用できる副原料が増える。布施社長は、定義変更に合わせてクラフトビールの新商品を投入する考えを示した。

 クラフトビールの取り組みでは、飲食店向けに、多品種のクラフトビールを小型サーバで提供する「タップ・マルシェ」を提案している。17年は首都圏の1000店舗での導入を目標とし、それを達成。18年は全国展開に踏み切り、年内に5000店舗への導入を目指す。

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