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» 2018年02月06日 18時19分 公開

多様化するニーズをつかめるか:「男が自分のために買う」 変化するバレンタイン市場

「他人用でなく自分用も買いたい」「大切な人に感謝を伝えたい」――。多様化するバレンタイン市場のニーズをとらえるため、各社は知恵を絞っている。

[昆清徳,ITmedia]

 バレンタインはもともと、思いを寄せる男性に対して女性がチョコレートを贈るイベントというイメージが強い。だが、近年は多様なニーズを盛り込む形で、バレンタイン市場が大きく変化してきている。

 まず、市場規模の推移をみてみよう。調査会社インテージが1月30日に発表したデータによると、チョコレートの市場規模は2012年から右肩上がりで増えており、16年度には289億円に達した。また、1年のうちでチョコレートが最も売れるのは2月であり、販売金額ベースで年平均の約1.6倍となっている。チョコレートの売り上げでみると、バレンタイン市場は拡大していると推測してもいいだろう。

拡大するチョコレート市場(出所:インテージ)
photo チョコレートは2月に最も売れる(出所:インテージ)

「愛の告白」需要は少ない

 気になる異性に対して、女性がチョコレートを贈る。この考えが少数派というデータがある。

 インテージの調査によると、今年のバレンタインにチョコレートを贈る予定があると回答した女性は7割強にのぼる。贈る相手は、配偶者がトップで39.1%。以下、子どもが23.3%、自分自身が22.8%、親が16.9%、友人・知人が15.3%と続く。恋人に贈る人の割合は10.5%、片思いをしている人・気になっている人に対しては1.8%にとどまる(複数回答)。

 小売りの現場からも、データを裏付ける声が出ている。イトーヨーカドーの担当者によると、チョコレートを贈る相手や目的が多様化しているという。こうした変化に対応するため、チョコレートのアイテム数を昨年の約600から、今年は約680に増やした。その他の小売り各社も「家族用」「友達用」「自分用」などきめ細かいラインアップをそろえており、幅広いニーズが存在することがうかがえる。

 ちなみに、女性が自分や家族のために買うだけでなく、男性が自分用に買うニーズも増えていると同社は分析する。そこで、男性向けとして、車の形をしたものや、ネジ・スパナの形のチョコレートを今年になって新たに投入している。

プロテインとバレンタイン?

 ニーズの多様化を踏まえ、チョコレートとは直接関係ない企業も、バレンタインに商機を見出している。

 スポーツ用品大手のゼビオは2月6日から“プロテイン・バレンタイン”というイベントを仕掛けた。例年、バレンタインに関する販促は行っているが、プロテインに焦点を当てるイベントは初めてという。健康志向が高まるなか、恋人や家族などにチョコレート風味のプロテインを贈ろうという提案だ。プロテインは近年、種類も売り上げも増えているなかで、「大切な人の健康を気遣う」という切り口で販売増を狙う。

photo ゼビオのバレンタイン特設サイト(出所:同社ホームページ)

 高価格帯のバッグなどを製造する土屋鞄製造所は、数年前から「レザーチョコレート」をテーマにしたバレンタイン限定の商品を販売している。今年は、トラベルケースを1月から投入しているが、Web販売分はすでに完売した。全国の直営店舗でも同商品の売れ行きは好調という。

 担当者によると、企画時点でプレゼント用としてだけでなく、自分用として購入する用途も想定していたという。また、遊び心のある限定商品を出すことで、主にビジネス用途で同社の商品を購入する顧客に、ファッション性がある商品もあることを感じ取ってもらう狙いがある。

photo 土屋鞄製造所のトラベルケース(出所:同社ホームページ)

 「他人用でなく自分用も買いたい」「大切な人に感謝を伝えたい」――。こういった消費者のニーズをとらえることで、新しいビジネスのヒントが生まれそうだ。

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