「未来の営業マニュアル」いかがですか

コンシェルジュはどこで仕事をしているのか ホテルの中だけでなく超・営業力(1/4 ページ)

» 2018年02月13日 11時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

「超・営業力」特集:

 「営業の成績がなかなか伸びないなあ」「自社の商品が売れないよ」といった悩みを抱えている人も多いのでは。ビジネス書を読んだり、セミナーに出席したり、なんとかいまの立場から抜け出そうと試みるものの、うまくいかない。

 では「一流」と呼ばれている営業担当者は“ひよっこ”のとき、どういったところに着目し、どのようにして成長してきたのか。本特集はそのきっかけに迫り、二流から一流になるためのヒントを探る。


 ホテルでお客さんのリクエストを聞き、それに応える接客のプロフェッショナル――。コンシェルジュといえばこのようなイメージがあるが、仕事の裏側はどうなっているのだろうか。

 2016年9月、新宿ワシントンホテル(運営:藤田観光)でコンシェルジュの部門を発足し、その立ち上げメンバーだった平野敏美さんは、社内のコンテストで表彰される。社内だけでなく、社外からも、お客さんからも高く評価されているので、「順風満帆なのね」と思われたかもしれないが、そうではない。数々の失敗を経験し、それを乗り越えて、いまがある。

 では、どのような失敗を重ねてきたのか。専門的なスキルと豊富な知識が求められるコンシェルジュの世界で活躍している平野さんに、接客力の極意を聞いた。

アルバイトからスタート

――どういったきっかけでホテルで働くようになったのでしょうか?

 高校卒業後、2001年にニューヨークへ渡って、大学に通っていました。大学ではトラベル&ツーリズムを専攻していて、インターンシップで空港近くのホテルで働くことに。そのころに「日本に帰っても、英語を生かすことができるホテルで働くことができればなあ。できれば接客をしたいなあ」と考えていました。

 当時、日本のホテル事情については詳しくなく、現在働いている「新宿ワシントンホテル」のことも知りませんでした。たまたま親戚が東京マラソンに出場することになって、その人を応援するために身内で集まることに。そのときの待ち合わせ場所が新宿ワシントンホテルだったんですよね。

 数カ月後、「そろそろ働かなければいけない」と考えていたところ、ぼんやりと新宿ワシントンホテルのことを思い出しました。「そーいえば、待ち合わせで行ったなあ」と。たまたま、アルバイトを募集していたので、フロント業務として働くことになりました(その後、契約社員を経て、現在は正社員)。

コンジュルジュとしてお客さんに接している平野敏美さん
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