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» 2018年03月12日 15時30分 公開

電車・バス運行の裏方たち:都営交通の「整備」を写真集に 東京の移動を支える“誇り”を映す (1/2)

東京都は3月20日、地下鉄やバスといった都営交通の「整備現場」をテーマとした写真集を発売する。制作の狙いや写真集の内容について、東京都交通局に聞いた。

[加納由希絵,ITmedia]

 毎日使っている電車やバスの「裏側」をのぞいてみたくなる。東京都は3月20日、地下鉄やバスといった都営交通の「整備現場」をテーマとした写真集「MAINTENANCE(メンテナンス)」を発売する。英国人写真家のマーク・パワー氏が撮影した写真を収録する。

 都営交通の保守点検現場の写真集を制作したのは初めてだという。なぜ、整備現場の写真集を外国人写真家と一緒に作ったのか。そこにはどんな写真が収められているのか。東京都交通局に聞いた。

photo 都営交通の「整備現場」をテーマとした写真集「MAINTENANCE(メンテナンス)」(東京都交通局提供)

整備現場という「小宇宙」

 都交通局は2016年8月から、都営交通の取り組みを特設サイトなどで発信する「PROJECT TOEI」を展開。職員が使っている道具や車両にまつわる歴史などを紹介している。今回の写真集は、そのプロジェクトの一環。「普段は表に出ない現場をPRする」(担当者)目的で制作した。

 写真を撮影したパワー氏は、世界的な写真家集団「マグナム・フォト」の会員で、これまでも建設や製造の現場のバックヤードを撮影してきた。「日々の保守点検の現場も、外国人の目線で捉えると違う発見があるのではないか、と考えて撮影を依頼しました」と担当者は説明する。

 撮影の現場では、「視点の違い」を実際に感じることができたという。「車両基地や保守点検作業の現場に行くと、私たちは車両や機械に目が行くことが多いと思います。しかし、(パワー氏は)職員が使っている『軍手』が気になったようです」。軍手が汚れてもすぐに捨てるのではなく、洗って干して繰り返し使う。日常でもよく見られる光景だが、パワー氏の目には新鮮に映った。「普段、何げなくやっていることが、視点を変えるとすごいものに見えることに気付きました」

 都の発表によると、パワー氏は写真集出版にあたって次のようにコメントを寄せている。「この現場は小宇宙のようでした。そこに1つの世界が出来上がっている感じがしました。現場で働いている人々が、すごく汚れる作業だったり、歯車の1つのような仕事だったりということもたくさんあるのですが、皆、知的で誇りを持って仕事をされていたのが印象的です」

photo 撮影中のマーク・パワー氏(東京都交通局提供)

 撮影場所は、地下鉄4路線(浅草・三田・新宿・大江戸の各線)それぞれの車両基地、駅構内やトンネル内、東京さくらトラム(都電荒川線)の停留場や車両基地、バスの車庫やバスターミナルなど。車両の点検・修理や、レールの保守などの様子を写真に収めている。

 「普段利用している電車やバスを安全に動かすための整備について、広くいろいろな方に知ってもらうきっかけになれば」(担当者)

 写真集は3800円(税別)で、青幻舎が発行する。発行部数は1500部。全国の書店やオンラインショップのほか、都営地下鉄の主要16駅(五反田、新橋、浅草橋、日比谷、水道橋、巣鴨、高島平、市ヶ谷、馬喰横山、本八幡、上野御徒町、門前仲町、大門、青山一丁目、都庁前、練馬)の駅長事務室でも販売する。

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