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» 2018年04月23日 10時07分 公開

南部鉄器と有田焼で作られた「現代の香炉」:パナソニック若手有志の新たな挑戦 「香り導くサーキュレーター」発売へ (1/5)

パナソニックが出資するロボットベンチャーATOUNは新ブランド「FUMA」を立ち上げ、第一弾の商品として「香り導くサーキュレーター」を来月中旬に発売する。開発の舞台裏に迫った。

[今野大一,ITmedia]

 パナソニックが出資するロボットベンチャーATOUN(アトウン、本社・奈良市)は新ブランド「FUMA」を立ち上げ、第1弾の商品として「香り導くサーキュレーター」を5月中旬に蔦屋家電などから販売する。価格は税込みで7万9704円。開発を担当したのは2015年にパナソニックから発売され、メディアなどでも話題となった球体の創風機「Q」を手掛けた小田一平(36歳)だ。昨年4月にパナソニックからATOUNに出向し、製品化を進めてきた。商品の発表当初は、クラウドファンディング限定で先行販売し、すでに目標金額100万円を達成している。「パナソニックのような大企業ではなくベンチャー企業なので商品を売る販路も一から作らねばなりません。この商品を広く知っていただきたい意味もあり、最初はクラウドファンディングの形をとりました。ようやく店頭での販売が実現でき本当にうれしいです」と小田は笑みをこぼす。

phot 「南部鉄器モデル」(右)と「有田焼モデル」(左)の2種類がある
phot 開発者の小田一平

伝統工芸と最新技術の融合

 板の上に黒と白の球体の器が置かれ、「FUMA」と刻印された中心部分から香りが風にのって運ばれてくる――。この球体は、日本の伝統工芸であり、職人の技術で精緻に作り上げられた「南部鉄器」と「有田焼」だ。今まで見たことのないデザインの「香り導くサーキュレーター」の機能はアロマディフューザーに近い。だが、この商品は緻密な技術により、徹底して風をコントロールすることで、欲しい場所にピンポイントで香りを届けられる革新的なサーキュレーターなのだ。

 一般的なアロマディフューザーでは熱や超音波を使って香りを拡散させる一方、「現代の香炉」を目指したこの商品は台座にアロマストーンを置くだけで、香りを風に乗せて届けることができる。南部鉄器と有田焼という伝統工芸と最新技術の融合がこの商品では実現されているのだ。

 商品は2種類ある。南部鉄器ならではの重厚感がある黒色の「南部鉄器モデル」と、世界最高級と言われる陶磁器の材料「天草陶石」の白色が美しい「有田焼モデル」だ。

 南部鉄器モデルは約5キロの重量があり、実際に持ってみるとかなり重たい。表面は三重に塗装されており、深みのある南部鉄器独特の黒を生み出している。

phot 南部鉄器モデルの重量は約5キロ

 有田焼モデルは約3キロで、やや灰色に近い白色だ。この白色は厳選した土の色ということで、着色はしていない。近づいてよく見ると黒点の不純物が見える。焼く前はピンク色だという。

phot 肉眼だと黒点の不純物が微かに見える

 工芸品を支える土台の天板には国産の山桜を使用し、高級感が漂っている。香りのもととなっているのはアロマストーンで、調香師がお香の香りがするフレグランスを特別に仕上げており、リラックス効果があるという。

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