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» 2018年04月24日 18時38分 公開

応用地質のセンサーも活用:「IoT×データ」で災害対策 KDDI・トヨタの“次の一手”とは?

KDDI、トヨタ自動車、応用地質がIoT・ビッグデータを活用した災害対策の分野で協業。各社の技術を組み合わせた「国・自治体向け災害対策情報支援システム」の共同開発を進める。2019年の商用化を目指す計画という。3社が会見を開き、システムの仕組みを解説した。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 KDDI、トヨタ自動車、地質調査会社の応用地質は4月24日、IoT(モノのインターネット)とビッグデータ分析を活用した防災の分野で協業すると発表した。今後は各社の技術を組み合わせた「国・自治体向け災害対策情報支援システム」の共同開発を進め、2018年中に実証実験を行う予定。19年の商用化を目指すとしている。

photo 位置情報データなどを画面に表示する様子

テクノロジーで自治体の課題解決

 近年は地球温暖化の影響などから豪雨などの災害が多発する一方、国・自治体ではインフラが老朽化しているほか、災害担当者や災害対策予算の減少が続いている。今回の施策は、テクノロジーを活用してこうした課題を解決する狙いがある。

 現時点では、福岡県が実証実験への参加を検討中。他の自治体や中央省庁とも交渉段階という。実用化後の料金体系は未定だが、年額数万円〜数十万円程度を見込む。自治体の規模や予算に合わせ、使用するデータや料金を柔軟に調整する方針。民間企業向けサービスの開始も視野に入れている。

システムの仕組みと用途は?

 同システムは(1)KDDIがスマートフォンユーザーから取得した性年代別の移動データ、(2)トヨタがコネクテッドカーから得たプローブデータ(位置情報や加速度など)、(3)応用地質が各種センサーから取得したモニタリングデータ、(4)気象情報などの公的データ――などを組み合わせて分析し、結果を災害対策に生かす仕組みとなる。

 KDDIが新たに開発した、位置情報のビッグデータを基に人の流れを予測する「人口動態分析/予測技術」も取り入れ、分析の精度を高めるという。

photo システムの概要(=プレスリリースより)

 具体的な用途は、災害の予兆発見、災害時の安全確認、インフラ監視体制の強化、通行規制・避難勧告の判断材料――などを想定。災害時以外でも、イベント時の動線確保などに応用可能としている。

人命を守るための“次の一手”に

photo KDDIの原田圭悟ビジネスIoT企画部長

 KDDIの原田圭悟ビジネスIoT企画部長は「信頼性の高い災害対策情報をスピーディーに分析することで、自治体は地域の詳しい情報を把握できる。人命を守るための“次の一手”に使ってほしい」と強調。

 トヨタ自動車の田村誠コネクティッド統括部データ活用企画グループ長は「同システムには、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)の作動状況データなども提供する。自治体は凍結防止剤の散布時期や散布範囲の策定に生かしてほしい」と話した。

 現在、トヨタのコネクテッドカーは「レクサス」ブランドが中心だが、田村氏は「これから発売する多くの車種に車載機器を搭載し、全国的にデータを収集できる体制を整える。災害情報を車内のドライバーに伝達するサービスも視野に入れている」と展望を語った。

 応用地質の成田賢社長は「幅広いエリアでの災害を分析する手法と、自治体に効率よく情報を伝達する手法の確立を目指す。データの取得には、当社の雨量計、水位計、変位計、地震計などを使用するが、新たなセンサーも開発したい」と意気込んだ。

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