湖池屋「スコーン」 “女性に知ってもらう”新商品はガパオ味「英国のスコーン」に完敗

» 2018年05月09日 12時25分 公開
[杉山杏果ITmedia]

 湖池屋は5月7日、スナック菓子「スコーン」の新商品「スパイシーガパオ味」を全国発売した。30年以上の歴史を重ねてきたロングセラーブランドのスコーン。その新商品は「女性向け」だという。

photo 湖池屋「スコーン」の新商品「スパイシーガパオ味」

女性に知られていない

 今回の新商品を企画・開発するにあたり、同社はスコーンに関するアンケート調査を実施。そこでスコーンの大きな課題が浮き彫りになった。東京都在住の20代女性120人に対し、「『スコーン』と言えば?」と質問したところ、約9割が英国の伝統料理の「スコーン」と回答したという。「スコーンといえば湖池屋」だと信じる商品企画担当者にとっては、衝撃的な結果になった。

 スナック菓子のスコーンは濃厚な味付けなどもあって、男性からの人気が高い。「女性に存在を認知されていない」というアンケート結果を“危機”として捉え、女性でも気軽に手を出せるスコーンの開発に取り組んだ。

photo 女性からの認知度が低いことが浮き彫りに。女性を意識した新商品が「スパイシーガパオ味」だ(ニュースリリースより)

 近年のトレンドとして、エスニック料理の盛り上がりが注目されていることから、肉のうまみとさわやかなバジルの香りが広がる「ガパオライス」の味に目を付けた。

 HOT PEPPERグルメ外食総研が、2017年の流行グルメについて全国の20〜30代の男女約2000人に調査した結果、「健康志向」「SNS映え」「一点特化」の3つのトレンドキーワードが挙がった。なかでも「健康志向」に代表されるグルメとして、パクチーやトウガラシを使ったエスニック料理が女性から人気を集めている。ガパオライスのフレーバーは、グルメのトレンドに合っているといえる。

 味わいについては、スコーンの個性である濃厚さはそのままに、スパイスとハーブが香る、本格的な味を追求した。女性はもちろん、男性でも満足できる味に仕上がっているという。

 パッケージも、直感的においしさが伝わる従来のデザインを残しながら、かわいらしさがあり女性に親近感を感じさせる、手に取りやすいものに仕上げた。

新生・湖池屋の価値を加えた商品に

 湖池屋は、2016年10月にコーポレートブランドの統合を実施。社名を創業の原点である「湖池屋」に変更した。「コアバリューである『親しみ』『安心』『楽しさ』に、『本格』『健康』『社会貢献』という“新生・湖池屋”の価値を加えた商品を展開していきたい」と担当者は話す。

 スパイスの効いた、ちょっと刺激的な味が食べたくなるこれからの季節。スパイシーガパオ味を展開することで、女性にも愛される濃厚スナックを目指す。「打倒英国スコーン」を掲げて、顧客層を広げていく考えだ。

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