大人気の湖池屋プライドポテト、販売休止の裏で何があったのか水曜インタビュー劇場(国産公演)(1/6 ページ)

» 2017年07月26日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 日本で初めてポテトチップスを量産した会社はどーこだ。答えは「湖池屋」。1962年、日本人の嗜好(しこう)に合う商品として「のり塩」味を、いち早く開発したのだ。

 老舗メーカーであるにもかかわらず、最近のポテトチップス市場をみると、苦戦している様子がうかがえる。首位カルビーは7割を超えているのに、2位の湖池屋は2割ほど。大ファンであれば、袋に入っていない状況で目の前に出されても「これはカルビーの味だ」「こっちは湖池屋だな」と言い当てることはできるだろうが、多くの消費者は難しいはず。味の違いはそれほど感じられないのに、カルビーに軍配が上がっていたのだ。

 このままではいけない、なんとかしなければいけないということで、湖池屋は新商品を出すことに。国産じゃがいもを100%使用して、プレミア感が漂う「KOIKEYA PRIDE POTATO」(以下、プライドポテト)だ。2017年2月に販売したところ、瞬く間に消費者に受け入れられ、さらにSNSでも話題が広がり、発売から1週間で予定していた1カ月分を販売する。その後も勢いは衰えず、3種類そろえたフレーバーのうち2種類は販売休止に追い込まれた。それでも2カ月を待たずに、売り上げは10億円を突破したのだ。

 3種類すべてがそろったのは、5月末のこと。にもかかわらず、販売開始から半年足らずで、売り上げは初年度目標の20億円を超えた。菓子業界では「20億円超えればヒット商品」と言われている中で、なぜプライドポテトは消費者に支持されたのか。その理由について、プライドポテトのブランドマネージャーを務める野田幸宏さんに聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

2017年2月に発売した湖池屋のプライドポテトが売れている
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