任天堂も株価暴落……2026年、PC市場を襲う「未曽有の供給ショック」とは(1/5 ページ)

» 2025年12月18日 08時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士

FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経てX Capital株式会社へ参画。


 2026年、世界のPC市場はかつてない「価格ショック」に見舞われる公算が大きい。

 生成AIの爆発的な普及が引き金となり、足元ではPCの中核部品であるメモリやSSDの調達コストが急騰している。その影響は、すでに実体経済に及び始めている。

メモリの高騰が止まらない(ゲッティイメージズ)

 この変化の影響が顕著に表れている企業の一つが任天堂だ。同社は11月に業績の上方修正を発表したばかりだが、メモリ価格の高騰が次世代機「Nintendo Switch 2」の採算性を圧迫するのではないかとの懸念から、株価は急落。上方修正で上げた値幅の倍以上を吐き出す局面となった。

8月高値から任天堂の株価は一時3割近く下落した(出所:TradingView)

 この株価下落は、単なるゲーム機メーカー固有の問題ではない。私たちが長らく享受してきた「高性能なデジタル機器が、年々安価に手に入る時代」が終わりを迎えつつあることを示すシグナルとも読み取れる。本稿では、足元で起きているPCパーツ市場の異変をデータに基づいて検証し、その背後にある構造的な転換点を考察する。

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