FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経てX Capital株式会社へ参画。
2026年、世界のPC市場はかつてない「価格ショック」に見舞われる公算が大きい。
生成AIの爆発的な普及が引き金となり、足元ではPCの中核部品であるメモリやSSDの調達コストが急騰している。その影響は、すでに実体経済に及び始めている。
この変化の影響が顕著に表れている企業の一つが任天堂だ。同社は11月に業績の上方修正を発表したばかりだが、メモリ価格の高騰が次世代機「Nintendo Switch 2」の採算性を圧迫するのではないかとの懸念から、株価は急落。上方修正で上げた値幅の倍以上を吐き出す局面となった。
この株価下落は、単なるゲーム機メーカー固有の問題ではない。私たちが長らく享受してきた「高性能なデジタル機器が、年々安価に手に入る時代」が終わりを迎えつつあることを示すシグナルとも読み取れる。本稿では、足元で起きているPCパーツ市場の異変をデータに基づいて検証し、その背後にある構造的な転換点を考察する。
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