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» 2018年05月11日 18時03分 公開

特損21億円計上:「指混入」のダメージ続く幸楽苑、最終赤字32億円 巻き返し策を聞く

幸楽苑HDが最終赤字32億円に転落。“指混入事件”のマイナスイメージが消えず、客足が伸び悩んだ。不採算店舗の減損損失21億3700万円も特損として計上した。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 ラーメンチェーン「幸楽苑」などを展開する幸楽苑ホールディングス(HD)が、2016年9月に発生した“従業員の指混入事件”のマイナスイメージをぬぐえず苦しんでいる。

 同社が5月11日発表した18年3月期の連結決算は、売上高が385億7600万円(前期比2.0%増)、営業損益が7200万円(前期は1億4700万円の黒字)、最終損益は32億2500万円の赤字(前期は1億5400万円の黒字)に転落した。不採算店舗の減損損失21億3700万円を特別損失として計上したことが響いた。

photo 幸楽苑が18年3月期の連結決算を発表

 客足も伸び悩み、直営店の既存店売上高は前期実績の98.4%、既存店の来客数は96.9%にとどまった。同社は「異物混入問題以降、社内改革を含めてお客さまの信頼回復に全力で取り組んできたが、来店客数はいまだ十分な回復に至っていない」と説明する。

 豪雪などの天候不良や原材料費の高騰も追い打ちをかけた。就労状況を調整するなどコスト削減に取り組んだものの、結果的に1月発表の通期業績予想(売上高388億1900万円、営業利益20億円、最終損益6億7400万円)を大きく下回る結果となった。

photo 幸楽苑の18年3月期の連結決算(=決算資料より)

巻き返し策を聞く

 同社は異物混入事件のマイナスを挽回するため、さまざまな施策を展開している。17年10月には、ペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を締結、店舗を「いきなり!ステーキ」へ業態転換する方針を明らかにして業界を驚かせた。現在は6店舗を運営している。

 先月には、全国の幸楽苑で新商品「鶏豚濃厚合わせダシ 新・極上中華そば」を1杯10円(税込)で提供するなどの取り組みも展開。SNSで大きな話題になった。

 今後はさらなる業績改善とイメージアップに向け、「いきなり!ステーキ」への転換や「10円ラーメン」のような話題を呼ぶ施策に注力する方針だという。

photo 「いきなり!ステーキ」への転換を加速する

 ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、同社の武田典久専務取締役は「『いきなり!ステーキ』は今期中に10店舗ほど増やす計画だ。『10円ラーメン』などの施策も相次いで展開したい。SNSで話題にしてもらえれば」と話す。

 SNSで話題を生みたい理由は、弱点である若者客を獲得するがためだという。「SNS上に幸楽苑の公式アカウントを開設し、さまざまな情報を発信して若者の認知度を高めたい。従来は家族向けが多かったテレビCMも、若者向けの内容に刷新して放映していきたい」と武田専務は意欲を見せる。

日本マクドナルドの復活劇がモデル

 商品開発にも力を入れる計画だ。「日本マクドナルドの業績立て直し策を参考に、新商品を相次いで発表していきたい。インスタントラーメンを開発してコンビニで販売し、顧客接点を強化する案も検討中」(武田専務)という。

 こうした施策の効果により、19年3月期の連結業績予想は、売上高384億4600万円、営業利益6億2900万円、最終利益2億6900万円と1年での黒字転換を見込む。

 武田専務は「異物混入事件はボディーブローのように効いているが、地道な取り組みによって巻き返しを図りたい」と話している。

photo 今後の見通し(=決算資料より)

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