ポイント、決済、投資――携帯キャリアが磨く「通信以外」の武器「ブロッキング」にも異なる見解(1/3 ページ)

» 2018年05月11日 20時32分 公開
[小笠原涼ITmedia]

 大手携帯電話事業者(キャリア)の2018年3月期決算が出そろった。NTTドコモとKDDIは増収増益だった一方、ソフトバンクグループ(SBG)は中国Alibaba Group Holding関連のデリバティブ損失を計上した影響などで増収減益となった。

 決算会見では、各社の社長が19年3月期の戦略を語った。キャリア各社で基本的な方針は異なったが、共通していたのは「主力の通信事業以外にも注力し、さまざまな分野での収益拡大を図る」という点だ。

photo 携帯キャリアの3社長

「dポイント」強化のドコモ

 NTTドコモの吉澤和弘社長は「携帯電話の顧客基盤から、『dポイントクラブ』会員を軸とした顧客基盤の強化にシフトしたい」と述べた。「dポイント」はドコモ以外のキャリアユーザーも使えることが特徴で、18年3月期現在の「Dポイントクラブ」会員数は前期比6.9%増の6500万人。

photo 「dポイント」が好調だ

 マツモトキヨシホールディングス(HD)と業務提携するなど提携先も増え、18年3月期の提携企業は229社、提携店舗数は約3万4100店舗に上る。18年3月期現在の提携企業は21年3月期までに300社以上に増やす計画だ。

 このタイミングで会員サービスに注力すると強調した背景には、顧客管理などに使用する基幹システムの強化があるという。

 吉澤社長は「会員サービスを強化する理由は、新しい基幹システムが完成するため。従来の基幹システムは回線契約の顧客管理に特化しており、会員サービスを含めた顧客データの一本化ができていなかったが、これが改善される。さまざまなデータをそろえてマーケティングに生かしたい」と強調した。

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