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» 2018年07月27日 06時00分 公開

「100年後、人類は生き残れない」:トヨタがこだわる燃料電池車の未来 増産へコスト削減 (1/3)

トヨタ自動車が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。

[ロイター]

[東京 26日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。他社が電気自動車(EV)にかじを切る中、収益性の見えないFCV開発にトヨタがこだわるのは「100年後に人類が生き残るための技術」との思いがある。

26年以降はFCVの展開車種を大幅に増やし、世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」との部品共有化を進め、課題の一つである車両価格を引き下げる。

photo 7月26日、トヨタ自動車が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。写真は世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」。愛知県豊田市の本社で5月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

<SUVや商用車でFCVを本格展開>

複数の関係者によると、トヨタは20年代前半までには2代目ミライのほか、25年前後からFCVのスポーツ多目的車(SUV)を投入する予定。部品各社はすでに3代目ミライの準備にも入っている。26年以降は中型セダン、商用車などでもFCVを本格展開する計画だ。14年に発売した初代ミライは700万円台と高級車並みの価格だが、2代目では燃料電池(FC)システムのコストを半減し、大幅な価格引き下げを狙う。

ミライ開発責任者の田中義和氏は現在、1)限定生産から本格的な量産に移行、2)白金(水素・酸素の化学反応を促す触媒)など高価な材料の使用量を減らす、3)システムの小型・ハイパワー化を進める──という3つの施策を徹底することで「コスト低減は実現できる」と強調する。

新事業計画部エネルギー事業室FC外販グループ長の大田育生氏は「(既存の)乗用車やFCVの部品をできるだけ多く、FCトラックでも使うつもり」だという。米カリフォルニア州で実験中のFCトラック、来年供給予定のセブンーイレブン向けFC小型トラック、FCバスなどでミライのFCシステムを共有し、コストを削減する考えだ。

米テスラや日産自動車<7201.T>など多くの車メーカーがガソリン車に代わる環境車としてEVに注力し、日産は独ダイムラー、米フォード・モーターとの共同開発によるFCV商用化を凍結している。FCVを生産するのはトヨタ、ホンダ<7267.T>、現代自動車<005380.KS>など一部にとどまる。

米調査会社LMCオートモティブの予測によると、27年の世界乗用車販売に占めるシェアはEVが約11.7%であるのに対し、FCVは0.2%に過ぎない。しかしトヨタは5月、20年以降にFCVの世界販売を現在の年3000台から3万台以上とする計画に備え、FCVの基幹部品であるFCスタックと高圧水素タンクの生産能力を増強すると発表。豊田合成も高圧水素タンクの製造に参入、約120億円投じて工場新設に踏み切った。

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