謎めいたファーウェイ創業者一族、後継者逮捕で注目「いかなる不正も承知していない」(1/3 ページ)

» 2018年12月13日 07時00分 公開
[ロイター]
photo 12月6日、米制裁措置の違反容疑で逮捕された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFO(写真)は、他の多くの中国企業幹部と同様、母国でも謎に包まれている。モスクワで2014年10月撮影(2018年 ロイター/Alexander Bibik)

Sijia Jiang

[香港 6日 ロイター] - 米制裁措置の違反容疑で逮捕された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)は、他の多くの中国企業幹部と同様、母国でも謎に包まれている。

現在46歳の孟氏は、いつかは父親が創業した同社を継ぐものと目されていた。

だがそれは、米当局の要請を受けて、孟氏がカナダで5日に逮捕されるまでの話だ。逮捕により、孟氏は、緊張が長引く米中の外交関係の渦中に放り込まれた。今や、同氏の運命は宙に浮いている。

事情に詳しい関係筋はロイターに対し、今回の逮捕は、ファーウェイが米国の対イラン制裁に違反しているとの疑いに起因すると語った。米輸出規制に違反したとの同様の嫌疑により、同じく中国のライバル企業、中興通訊(ZTE)<0763.HK>は今年、米企業との取引禁止という制裁を受け、重い罰金を支払うこととなった。

ファーウェイは孟氏に対する「容疑について」ほとんど情報提供を受けていないと声明で明らかにした。同氏はファーウェイの副会長も務め、創業者である任正非(レン・ツェンフェイ)最高経営責任者(CEO)の最初の結婚で生まれた娘である。「孟」は母親の姓であり、サブリナやキャシーといった呼び名をもつ。同社は孟氏のいかなる不正も承知していないとしている。

電子機器の安全性を巡る懸念が世界的に高まる中、孟氏の逮捕によって再びファーウェイは注目を集めている。

注目を集める理由は、任CEOの経歴にある。創業する以前、任氏は中国人民解放軍(PLA)に所属し、1983年に退役するまで10年近くエンジニアとして通信網の構築に携わった。

一部の政府、特に米国政府の当局者は、ファーウェイが中国の軍と政府に近いことに懸念を示している。これに対し同社は、中国政府による影響を受けてはいないと繰り返し主張している。

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