創業者のワナー氏とシューラー氏は、ともにスイスのUBS銀行出身の銀行マン。あえて高給取りの職業を手放し、異業種に挑んだ理由とは――?
「銀行員として、短期間でさまざまなスキルを積むことができましたが、私たちには起業家精神や経営陣のリーダーシップの質が欠けており、リスクを取ってでも起業に挑戦したいと考えました。具体的、かつ日常の基本的なニーズに基づいた大きな消費者市場で未開拓のビジネスの可能性を探っていて、ひらめいたのが東南アジアでのサニタリービジネスです」(ワナー氏)
ワナー氏は、東南アジアを旅行していた際、整備されていない古く汚い公衆トイレに多く遭遇。そこではサービス料を支払うのが一般的だった。帰国後、詳しく調査してみると、すぐにこのビジネスのポテンシャルに気付いたという。
銀行員時代、2人はともにアジア市場に関連するビジネスに携わった実績があり、前職で培った国際的なビジネスネットワークと財務スキルも、異業種でのビジネス拡大に大いに役立っているそうだ。
「創業からこれまでに約280万ドル(約3億900万円)を調達し、現在も1000万ドル(約11億円)を上限とした資金調達を進めています。財務のバックグラウンドにより、調達だけでなく、効率的な資本の配分ができていることも当社の強みです」(シューラー氏)
同社は、「トイレ界のスターバックスを目指す」と強い意欲を見せる。
「スターバックスは、コーヒーの価値を高める革新的な技術、魅力的なデザインと店舗の雰囲気、そしてフレンドリーなスタッフによって、独自の優位性を持つブランドに成長しています。同様に、当社でも独自性の高いユニークな顧客体験を提供し、大規模な店舗ネットワークと強力なブランドを構築したいと考えています。そうすれば、公衆トイレのイメージと人々の行動を変えることができるでしょう」(ワナー氏)
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