2015年7月27日以前の記事
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おっさんの胃袋をわしづかみ、“肉撃”ですぐさま利益改善を遂げた大阪王将本当の顧客は誰か?(1/3 ページ)

中華料理チェーン「大阪王将」などを展開するイートアンドは一昨年、ターゲット顧客と商品戦略の見誤りなどから営業利益を大きく下げた。そこから戦略を練り直し、すぐにV字回復したわけだが、その取り組みとは一体――。

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中華料理チェーン「大阪王将」の看板メニューである焼餃子
中華料理チェーン「大阪王将」の看板メニューである焼餃子

 「あの失敗から改めて学んだこと。それは、我々の顧客は誰なのかということだ」――。

 こう語るのは、中華料理チェーン「大阪王将」やラーメン専門店「よってこや」などを運営するイートアンドの文野直樹社長である。

 同社は2011年に株式上場以来、売り上げは右肩上がりの成長曲線を描いてきた。ところが、営業利益は2015年3月期に前年比70.2%減となる2億8300万円に大きく落ち込んだ。原材料費の高騰や人件費の上昇、大規模な広告宣伝の投下などによって、販売費および一般管理費が69億7800万円(対前年比13.3%増)までふくらんだことが影響したという。

 この営業利益の大幅減について、文野社長は「特に広告投資の失敗が大きかった」と振り返る。広告投資の失敗とは、すなわち商品戦略の失敗で、投入した新商品が顧客ニーズとのミスマッチを引き起こしていたのだという。

 その一例が、全国で360店舗以上を展開する主力事業の大阪王将において、2014年7月に発売した「絶品国宝豚餃子」。これは原材料にハンガリー産の高級豚であるマンガリッツァ豚や、“世界三大キノコ”と呼ばれるイタリア産のポルチーニ茸などを使用したプレミアム商品で、5個入り390円(税込)。価格は大阪王将の看板メニューである「元祖焼餃子」(6個入り260円)と比べると割高だが、その当時、プレミアム商品の開発に力を入れる外食チェーンが多く、同社も新しい顧客層にアプローチしようと試みた。

 これが振るわなかった。「値段の高い餃子を売ろうとしても、大阪王将というブランドがそれを望んでいなかった。商品戦略に無理があった」と文野社長は明かす。

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