米国の衰退から学ぶ、ショッピングモール再生:来週話題になるハナシ(1/3 ページ)
米国のショッピングモールが衰退しつつある。数年ほど前から客足が減っていて、いまや「デッドモール」と呼ばれる廃墟が目立っている。なぜ、かつてのような輝きを失ったのか。その一方で、再生に向けた動きも始まっている。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
米国はいま、人々がショッピングに熱狂するホリデーシーズンの真っ只中にある。米全国小売連盟の予測によると、2016年のホリデーシーズンは6558億ドル(約76兆8455億円)の売り上げが期待されているという。
そんな米国の消費者文化を象徴するのは、ショッピングモールだ。実は2016年は、米国で初めてショッピングモールが誕生してから、ちょうど60周年の記念すべき年である。
だが60年経ったいま、米国のショッピングモールにかつてのような輝きはない。客足が減って「デッドモール」と呼ばれる廃墟が目立つようにもなってきた。一方で近年、ショッピングモールの再生に向けた動きが見られるようになってきている。
60年前に誕生した全米初のショッピングモールは、ミネソタ州ミネアポリス近郊にオープンした「サウスデール・センター」だった。1956年のことだ。
サウスデール・センターは、「ショッピングモールの生みの親」として知られるビクター・グルーエンが手がけたもので、巨大な駐車場がつくられ、天候に左右されることのない空調管理された快適な屋内で買い物が楽しめるとして、当時は画期的だった。
そこから、たちまちショッピングモールは人気になり、全米中に建設されることに。現在では、全米で1200ほどの大型ショッピングモールが存在する。
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