ローソン、最新の省エネ店舗をオープン 電力使用6割削減:IoTで節電も
ローソンは、最新の環境配慮モデル店舗を東京都小平市にオープン。IoT(モノのインターネット)による節電制御システムや空調効率を向上させる設備などを導入。電力使用量を約60%削減する。
ローソンは2月17日、IoT(モノのインターネット)による節電制御システムなどを取り入れた、最新の環境配慮モデル店舗を東京都小平市にオープンした。空調効率を向上させる設備などを導入し、電力使用量を標準的な店舗と比べて約60%削減する。「スマートエネルギーストア」として、省エネ機能を高めた店舗運営を目指す。
モデル店舗として新規オープンしたのは「小平天神町二丁目店」(東京都小平市天神町2-2-16)。ローソンは2008年度から、最新の省エネ設備を取り入れた実験店を年1店舗ずつオープンしており、今回もその一環。東京都内での展開は初めてとなる。
IoT機器によるエネルギー制御システムは、経済産業省の「バーチャルパワープラント構築実証事業」の一環として慶應義塾大学SFC研究所と共同で実施。昨秋以降、すでに首都圏の約90店舗に導入している。
店舗のバックヤードなどにタブレット端末を設置し、フィルター清掃などの日常の省エネにつながる業務を実施するように通知。また、電力使用のピークとなる時間帯には、空調の運転抑制や照明の調整などを実施するように通知し、承認すると自動で実施する。
建物の形状にも最新の設備を取り入れた。勾配のある天井と自動開閉する換気窓によって、店内の空気を自然に循環できるようにした。太陽光と太陽熱を取り入れる天窓や、床下の地中熱を利用する設備も取り入れ、空調効率を向上させている。空調設備は、コンビニでは初採用の除湿式放射パネル空調。効率的に熱を伝えることができる。
商品が並ぶショーケースには、冷気を逃がさないように扉を付けた。冷蔵食品などのケースに扉を設置するのは全国で4店舗目。また、扉には初めてペアガラスを採用し、断熱性能をさらに高めた。
この店舗は、建築物の省エネルギー性能を評価する「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」で、コンビニとして初となる最高評価を受けた。
今では珍しくない太陽光発電システムやLED照明などに加え、最新の設備も積極的に試験導入。省エネ設備の全国展開を目指していく。
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