2カ月で180万部! 『うんこ漢字ドリル』がバカ売れしている理由:水曜インタビュー劇場(ぶりぶり公演)(1/6 ページ)
文響社の『うんこ漢字ドリル』が売れている。すべての例文に「うんこ」が登場していて、小学生はゲラゲラ笑いながら学習しているという。同社は参考書をつくったことがないのに、なぜこのようなドリルをつくることができたのか。担当編集者に話を聞いた。
文響社の『うんこ漢字ドリル』(1058円、税込)が売れに売れている。3月24日に3万6000部を発売したところ、すぐに品薄状態に。SNSなどで火が付いて、わずか2カ月ほどで180万部を突破した。10年以上前から「出版不況だ。本が売れない」と言われている中で、なぜ学習参考書のジャンルでこれほど売れているのか。しかも、同社はこの市場に初参入なのに……である。
「うんこのドリル? 読んだことがないので、よく分からないなあ」という人もいると思うので、どんなモノなのか簡単にご紹介しよう。最大の特徴は、6学年分の全3018例文に「うんこ」を使っていることだ。例えば「第」という漢字については、「安全第一でうんこを運びます」「第一走者、ほかのうんこを次の走者にわたした」「うんこ物語 第一章『うんこの勇者たち』」と書かれている。これでもか、これでもかというくらいに「うんこ」が登場していて、これを読んだ小学生はゲラゲラ笑いながら、漢字を学習しているというのだ。
このような漢字ドリルをどのようにして思いついたのか。すべての例文を考えた映像ディレクターの古屋雄作さんは、うんこをネタにした「うんこ川柳」をつくっていて、Webサイトなどで発表していた。古屋さんの友人である、文響社の山本周嗣社長はうんこ川柳を読んで、書籍化を検討する。しかし、本を出しても、誰に向けてのモノなのかよく分からなかった。悩みながら川柳を眺めているうちに、「漢字なら、子どもの役に立つのではないのか」と考え、企画が進んでいったのである。
さて、少し前フリが長くなってしまったが、本記事のキモはここからである。社長から「うんこの漢字ドリルを出すぞー。編集はお前だー」と言われたのが、同社の谷綾子さんである。料理本などを編集してきた彼女は、これまで口の中に入れるモノを扱ってきたのに、次はお尻から出すモノを担当することに。社長のひとことから「うんこ漬け」の日々が始まるのである。
うんこを使って漢字ドリルをつくる――。企画としては面白いが、表現を少し間違えると炎上するかもしれない。これまでになかった学習参考書を谷さんはどのようにして一冊の本に仕上げたのか。話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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