完全リモートワークの会社で盛り上がる社内イベントとは?:経営陣との意思疎通もスムーズ(2/3 ページ)
完全リモートワークを実践している社員30人の会社がある。経営陣が命令しているわけではないのに、社員が次々と社内行事や勉強会を企画している。その原動力はどこにあるのか?
社員が自発的にイベントを企画する
ソニックガーデンでは、社員が自発的にイベントを企画している。
例えば、17年に開催されたハッカソン。これは、プログラムやアプリサービスを短時間で集中的に開発するイベントだ。ある社員が「ハッカソンやりたいね」とRemottyに書き込みをしたところ、「自分も参加したい」と手を挙げた社員が現れた。開催場所や日時を決める過程で「宿泊施設を予約する担当」などの役割が自然と決まった。ハッカソンを通して、社員はスキルアップや交流の場を持つことができた。ハッカソン以外にも、社員と社員以外のエンジニアが集まった勉強会も全国各地で随時開催している。
毎年恒例の行事としては、全社員とその家族が集まる「家族感謝祭」がある。ソニックガーデンの倉貫義人社長は「いつも自宅で仕事が行えるのは家族のおかげです。家族に感謝の気持ちを表すために創業時から毎年行っています。強制はしていませんが参加率はほぼ100%です」と説明する。そのほかの恒例行事には登山好きが集まった「登山部」や、1年の抱負を発表する「新春書き初め会」などがある。
リモートワークならぬ、「リモート飲み会」も非定期に開催されている。お酒を飲み始める時間を指定し、各々が好きな酒を持ち寄る。お酒を飲みながらRemottyで交流する。
社内イベントが活発に行われる理由について倉貫社長は「やると面白いから」と言い切る。
社員全員がプログラマーなので、プログラミングに関することは共通の“趣味”だ。スキルアップに役立つのはもちろん、新しいテクノロジーや開発手法を学んだり情報交換したりするのが楽しい。そんな純粋な気持ちが各種勉強会を自発的に行う背景にある。
家族感謝祭のような社内イベントについても、「会社が参加を強制をしていない」というのがポイントだ。普段はRemotty上で活発に交流してはいるが、たまには会って話をしたい。1年に1度のお祭りならば参加しようという気持ちになるようだ。
ソニックガーデンは社内イベントを福利厚生の一環として捉え、費用を全額補助している(リモート飲み会は除く)。この姿勢も社内イベントの開催を後押ししている。
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