GMOあおぞらネット銀行が開業 ECの仮想通貨決済サービスも検討:全ての銀行サービスのAPI公開
あおぞら銀行とGMOインターネットグループが共同出資で設立した「GMOあおぞらネット銀行」が7月17日に開業した。
あおぞら銀行とGMOインターネットグループが共同出資で設立した「GMOあおぞらネット銀行」が7月17日に開業した。AI(人工知能)やブロックチェーン(分散型取引台帳)などの新しい技術を活用したネット銀行で、当面は「バーチャル口座」の提供など決済分野事業を中心に運営を進め、顧客の獲得を図っていく。
17日に口座開設申し込みの受け付けを始めた。来月中にセブン銀行のATMを、来春までにイオン銀行のATMを利用できるよう調整を進めているという。ATM利用手数料については業界最安値水準を目指すとした。
決済サービスの1つ「バーチャル口座」では、個人の場合、大元の口座にひも付ける形でバーチャル口座を最大10口座作成できる。実際に開設する口座は1口座だけだが、貯蓄用、生活資金用――と、バーチャルな「入金口座」に資金を振り分けることが可能なため、資金管理がしやすくなるという。
新銀行の資本金は87億5100万円。持ち株比率はあおぞら銀行が85.1%、GMOインターネットが7.45%、GMOフィナンシャルホールディングスが7.45%となる。
後発だからこその強みは
GMOあおぞらネット銀行の金子岳人会長は「GMOグループが培ってきたシステム開発力とあおぞら銀行の銀行事業ノウハウを活用し、価格競争力や迅速な商品開発力などを武器に既存の銀行と差別化を図っていく」と、後発であるからこ活かせる強みがあると強調した。
基本的には全ての銀行サービスのAPIを公開し、フィンテック企業が必要とするような参照系API(2019年1月)や更新系API(2019年4月)などを順次提供していく予定だ。
左から、あおぞら銀行の馬場信輔社長兼CEO(最高経営責任者)、GMOあおぞらネット銀行の山形昌樹社長、GMOあおぞらネット銀行の金子岳人会長、GMOインターネットの熊谷正寿社長・グループ代表、GMOフィナンシャルホールディングスの鬼頭弘泰社長
GMOインターネットが戦略的事業として位置付けているブロックチェーン・仮想通貨関連事業が同行のビジネスと親和性が高いとして、仮想通貨を利用したEC決済の展開も検討している。
金子会長は「ブロックチェーン技術を活用したネット上での決済ソリューション開発の検討にも着手している。決済分野でのナンバーワンを目指しつつ、ブロックチェーン決済を基に新たなビジネスも開拓していく」と意気込む。
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