「ニコ動」有料会員、減少ペースやや緩和 3カ月で7万人減:200万人に踏みとどまる
「ニコニコプレミアム会員」が18年6月末で200万人となり、3月末から7万人のマイナスだった。新バージョン提供などのテコ入れを図り、減少ペースは緩やかになったものの、増加はならなかった。
カドカワが8月9日発表した2018年4〜6月期連結決算によると、傘下のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」の有料会員「ニコニコプレミアム会員」が18年6月末で200万人となり、3月末から7万人のマイナスだった。
動画を優先的に視聴できる特典などがある同会員からの収入(税込月額540円)は、ニコ動を含む「niconico」サービスの屋台骨となっていたが、会員数は16年12月末から減少に転じていた。
減少に歯止めをかけるため、ドワンゴは18年にフルHD画質(1080p)への対応、動画の非ログイン視聴への対応、新バージョン「(く)」(クレッシェンド)のリリース――などを相次いで行ってきた。
その結果、18年3月末〜6月末の減少ペースは16年12月末〜17年3月末の9万人、17年9月末〜12月末の14万人などから緩和。会員数は200万人に踏みとどまったものの、増加に転じることはできなかった。
さらなるテコ入れに向け、8月1日には「ニコニコ生放送」配信者に“投げ銭”を贈ることができる機能「ギフト」を実装。今後は生放送の非ログイン視聴への対応や、オリジナルゲームの投入を予定している。
通期では増収増益を予想
カドカワの2018年4〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比0.6%減の496億3100万円、営業利益が49.5%減の3億9900万円、純損益が3億6800万円の黒字(前年同期は2300万円の赤字)だった。
ニコ動の改善や新サービス開発への投資がかさんだ点が減益要因となった。主力の出版事業も、書籍・雑誌の新刊点数が減少した影響などで減収減益だったが、アニメのライセンス販売が好調で、映像・ゲーム事業は増収増益だった。
通期業績予想は据え置き、売上高が11.7%増の2310億円、営業利益が154.4%増(約2.5倍)の80億円、最終利益が420.1%増(約5.2倍)の54億円を見込む。
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