インテル、64ビット拡張技術搭載Xeonとチップセットを発表

インテルは、エクステンデッド・メモリ64テクノロジや拡張版SpeedStepテクノロジなどに対応した、ワークステーション/デュアルプロセッササーバ向けの新しい「Xeonプロセッサ」と対応チップセットを発表した。

» 2004年06月29日 20時26分 公開
[佐々木千之,ITmedia]

 インテルは6月29日、米国での発表に合わせて、64ビット拡張技術対応の新しいプロセッサコアを持つ「インテルXeonプロセッサ」および、対応チップセット「インテルE7525チップセット」を発表した。

「インテルXeonプロセッサ」 「インテルXeonプロセッサ(800MHzシステムバス対応)」

 新しいXeon(コードネーム:Nocona)は同社が2月に発表したPentium 4プロセッサ(コードネーム:Prescott)と同じ世代に当たり、デュアルプロセッサシステム向けのチップ。90ナノメートルプロセスで製造されている。E7525チップセット(コードネーム:Tumwater)と組み合わせることで、以前のXeon/チップセットと比較して、ハイパースレッディング・テクノロジ、ストリーミングSIMD拡張命令3(SSE3)、拡張版Intel SpeedStepテクノロジ、エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)、PCI Express I/O、800MHzシステムバス、DDR2メモリなど、数多くの機能追加/拡張が行われている。

 Noconaの拡張版SpeedStepテクノロジは同時に搭載されたデマンド・ベース・スイッチング(DBS)とともに働く省電力機能で、システムの消費電力を最大で28%削減できるという。冷却ファンのスピードも下げられるため騒音も抑えられるとしている。

 EM64Tは、Xeonのメモリアドレッシングを64ビットに拡張にするもので、2月に米国で開催されたIntel Developer ForumでNoconaへの搭載が明らかにされていた。現時点では、64ビット対応版Windowsがリリースされていないため、対応するOSとして名前が挙げられたのはSuSE LinuxとRed Hat Linuxにとどまった。インテルでは7〜9月期にEM64T対応のコンパイラ、ライブラリ、チューニングツール(V-Tune)を正式にリリースする予定(現在はβ版を提供)。

 今日発表した製品と価格(1000個ロット時)は6種類で、Xeon/3.60GHz(800MHzシステムバス対応)が9万4460円、Xeon/3.40GHz(800MHzシステムバス対応)が7万6590円、Xeon/3.20GHz(800MHzシステムバス対応)が5万500円、Xeon/3GHz(800MHzシステムバス対応)が3万5070円、Xeon/2.80GHz(800MHzシステムバス対応)が2万3190円、E7525チップセットが1万1100円。

 また今後60日以内に、EM64T対応のサーバ向けチップセット「E7520」(コードネーム:Lindenhurst)、「E7320」(コードネーム:Lindenhurst VS)、I/Oプロセッサ「IOP332」をリリース予定であることも明らかにした。

 発表会では、EM64T対応Xeonが力を発揮できる分野として、コンピュータグラフィックスやノンリニアビデオ編集などのデジタルクリエーションと科学技術計算を挙げ、ミッションクリティカルなエンタープライズ分野向けとするItanium 2との位置づけの違いを説明した。

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