XP SP2をサイレントインストールできない問題が解決

エンドユーザーの介入なしで、IT管理者がWindows XP SP2をインストールできる機能を修正するためのフィックスがリリースされた。(IDG)

» 2004年08月20日 10時12分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは8月19日、同社の無料パッチ導入サーバを使っている企業ユーザーに提供しているWindows XP Service Pack 2(SP2)インストレーションパッケージのフィックスをリリースした。エンドユーザーが介入しないと、IT管理者がSP2をインストールできないという欠陥を修正することが目的だ。

 この問題は、企業ファイアウォールの内側で動作する無料のWindowsアドオン「Software Update Services」(SUS)を使っているユーザーに影響する。SUSを使うと、企業はMicrosoftからデスクトップに直接パッチをダウンロードする代わりに、中央集中型のステージングエリアを作成し、テストと承認が終わった後にパッチを配布するようスケジュールを設定できる。

 Microsoftはユーザーに、SUSを介してSP2を導入すると、エンドユーザーの介入が必要ない「サイレント」インストールができると伝えているが、そうでないことが判明し、ユーザーは驚き、そして落胆している。

 「クライアントコンピュータは、予定された時間にSP2をサイレントインストールしなかった」と米ラファイエットにあるルイジアナ大学情報システム事務所の管理者ブライアン・ドーア氏。「その代わりに、クライアントはユーザーがログインするのを待ってから、SP2 Wizard(とエンドユーザーライセンス契約)を始めるよう促す。ユーザーはこの時点でインストールをキャンセルすることもできる。これは明らかに大きな問題だ」

 ドーア氏によると、同大学は通常、早朝にサービスパックのサイレントインストールを行っている。

 「翌朝作業を始めたユーザーは、ログインしたときにSP2 Wizardに出迎えられ、インストールするかキャンセルするかの選択肢を提示された。キャンセルした人にはパッチがあてられなかった。インストールを受け入れた人は、SP2のインストールが終わるまで、最大30分間コンピュータを使えなかった」(同氏)

 ドーア氏は自分のデスクトップをアップデートせずに、SP2がインストールされたクライアントとそうでないクライアントが混ざった状態のまま、SUSサーバのSP2配布を一時的に遮断しなくてはならなかった。

 19日にフィックスがリリースされたことで、SUSユーザーは、パッチを提供するMicrosoft Windows UpdateサービスとSUSサーバを同期させると、自動的に小さなアップデートファイルを取得できるとMicrosoftの担当者は説明している。また、手動ダウンロードでこのファイルを受け取ることも可能だ。このファイルが既にダウンロードされている場合、同期させてもSP2パッケージ全体はダウンロードされない。

 Microsoftの担当者は、今回の問題は、SUSユーザーに提供されるSP2「インストールパラメータ」に関するものであり、SP2自体には関係ないとしている。フィックスは「aurtf.cab」という1Mバイトのファイルに含まれ、この中にはSUS用のSP2インストールパッケージをアップデートするメタデータが入っている。

 SUSは「Automatic Updates」というクライアント側機構と連動する。Automatic UpdatesはSUSサーバからパッチを取得し、デスクトップにインストールする。Microsoftは先週、Automatic Updatesが向こう120日間Windows UpdateサービスからSP2を直接ダウンロードしないよう調整するアップデートを発行した(8月17日の記事参照)。Automatic Updatesが16日にSP2の導入を開始する前に、ユーザーがもっとテストの時間が欲しいと要求したためだ。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ