ニュース
» 2004年09月09日 21時45分 UPDATE

Special:RFIDが変革する小売の姿RFIDでプライバシーの心配は無用? (1/2)

アクセンチュアの堀田徹哉パートナーへのインタビューの4回目は、特に欧米で懸念されているプライバシーの問題を取り上げる。同氏によると、米プライバシー保護団体が騒ぎを起こすほどには心配しなくていい問題のようだ。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 アクセンチュアの堀田徹哉パートナーへのインタビューの4回目。特に、欧米で懸念されているプライバシーの問題を取り上げる。同氏によると、米プライバシー保護団体が騒ぎを起こすほどには、心配しなくていい問題のようだ。

hotta.jpg

ITmedia プライバシーの問題についてどう考えますか? 商品を買った後までICタグを追跡されて、個人の家に何があるかが判ってしまうといった話も聞きます。

堀田 非常にいろいろな迷信というか、誤解があり、エピソードがあります。米国にCASPIANという熱心なプライバシー保護団体があり、非常に強烈な活動をしています。当初、Wal-Martは、単品にICタグを付ける実験をしていましたが、こうした動きが原因で(米Gilletteと共同の電子商品棚)テストを止めてしまいました。

 CASPIANのような団体は、RFIDについて、非常にナーバスになっています。彼らの話を聞くと、「ICタグ付のものが家にたくさんあった場合に、悪意のある人が外を通りかかり、リーダーでスキャンすれば家の中にどんなものがあるかがすべて分かってしまうじゃないか」という懸念を持っていることが分かります。

 プライバシー問題に一部の人がナーバスになっている背景には、少し誤解があって、「こんなこともできてしまうんじゃないか」という思惑に起因しているところがあります。

 一方で、ICタグにおいては、いろいろな周波数帯を使いますが、例えば、2.45GHzという周波数帯の話をすると、これは実は電子レンジなどで使われている周波数帯なのです。すると、もし、家にあるもののICタグがすべて読めるくらいに2.45GHzの電波を照射してしまうと、ほとんど電子レンジと一緒の状態になり、中が丸焼けになってしまうくらい強い電磁波を出さないといけません。そんなことは不可能なわけです。

 だから、実際には、やはり近くに寄ってスキャンしないと読み取りはできない。仮に読み取りができたとしても、ICタグの情報から読み取れるものというのは、124ビットの「0、1」の情報でしかないわけです。

 その「0、1」の情報が何を意味しているのかを調べようと思ったら、どこかのサーバに問い合わせて、それにヒモづく情報を引っ張ってこなくてはならない。本当のセキュリティというのは、そこで担保すればいいものです。もちろん、サーバ問い合わせの時点でデータをクラックされるとしたら問題ですが、IDのナンバーそのものが読まれても、何の怖さも実はないわけです。

 もちろん、クレジットカードやキャッシュカードの情報を読み取って、偽造したカードでお金を引き出してしまうといった事件も実際に起きているわけで、ナーバスになるのは当然ではあります。

 しかし、本当にビジネスを理解した上で、あるいは理解させる努力を払った上で、(プライバシー問題など)そういうことを議論していかないといけない。単純な誤解から、事が大きくなり、物事が進まないという状況は避けた方がいい。かといって、プライバシーの問題がないかと言えば、そうではないので、それはケアしていくべきです。

 そう考えるとむしろ、消費者そのもののプライバシーというよりも、いかにICタグにヒモづいて管理している情報のセキュリティを担保していくことの方が重要です。

 これ(取材用のボイスレコーダー)にICタグがついていて、私がリーダーで情報を読み取れば、確かに124ビットの情報を読めてしまう。その情報をサーバに問い合わせて、実はそれが誰のもので、こんなものを買っていますといったプライバシー情報を引き出されてしまうということに対して、セキュリティをかける必要があります。

 「スキャンできることはできる」という意味で、プライバシー情報が漏れるトリガーが1つ増えるのは事実と言えます。 

ITmedia 実際にプライバシーが問題になるのはどんなケースでしょうか?

堀田 実際にプライバシーが問題になるケース。うーん、いつ来るんでしょうか、逆に言うと。プライバシーが本当に問題になるのは、商品にICタグがついたまま、消費者の手元に渡っていく場合です。

 しかし、だからと言って、それがプライバシーの侵害につながるかというのは何とも言えません。商品情報と、使われている部品、どのロットであるかといった情報が、企業側にはサーバに蓄えられているわけですが、ICタグについている情報は、ID情報だけです。IDが読まれてもプライバシーが侵害されるわけではない。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -