ICタグの最大の特徴は、「非接触性」にある。つまり、バーコードのようにタグをリーダーに直接当てなくても、リーダ/ライタがデータを読んでくれる点だ。これが、サプライチェーンの自動化、無人化というソリューションにつながる。
ICタグの最大の特徴は、「非接触性」にある。つまり、バーコードのようにタグをリーダーに直接当てなくても、リーダ/ライタがデータを読んでくれる点だ。これが、サプライチェーンの自動化、無人化というソリューションにつながる。
非接触を生かすためには、ICタグとリーダ/ライタ間の電波の通信距離を、適切に管理しなくてはならない。通信距離は、利用するICタグの周波数、アンテナの大きさ、さらに、そのほかの利用環境にも左右される。電波が微弱で、リーダまで届くまでに消えてしまっては困るし、読めたり読めなかったりするのもよくない。
現在、電池をもたない「パッシブタグ」と呼ばれるICタグの周波数および通信距離は、次のようになっている。
ユーザー企業は、商品の大きさなどによって、ICタグのアンテナのサイズを変えたり、電波法で定められた範囲でリーダ/ライタの出力を上げたりすることで、通信距離を調節することができる。
ただし、店舗で利用する限り、ここでの読み取り結果は直接消費者の決済と連動する。レジで提示される合計金額が時々でも間違えるようでは仕方がないわけで、読めたり読めなかったりでは話にならない。どの商品でも確実に電波を捕え、最終的には常時100%の信頼性を確保しなくては、小売業での本格的な普及は見込めない。
電波方式では、「今後2〜3年の開発で、通信距離が伸びる可能性がある」(財団法人 流通開発センター)という。また、数年以内に、ICタグが自ら微弱電波を発信する「アクティブタイプ」や、「セミアクティブタイプ」の出現が期待されている。その場合、通信距離は、100メートル程度まで伸びるという。
一方、物流センターなどにおいて、ベルトコンベアーで運ばれるICタグ付きの商品をリーダ/ライタ読み取る場合、分速80メートル程度のスピードまでなら可能という。今後の技術の発達で、これが分速120〜180メートル程度まで可能になると言われている。
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