MyDoom作者、ワームで求職活動?

MyDoomの最新亜種のコードには、「AV(アンチウイルス)業界の職を探している」というメッセージが埋め込まれている。(IDG)

» 2004年09月14日 18時37分 公開
[IDG Japan]
IDG

 南アフリカでSophos製品を扱うディストリビューターNetXactics Communicationは、電子メール型ワームMyDoomの最新亜種の作者が、ワームのコード内にアンチウイルス業界での勤め口を求める秘密のメッセージを埋め込んでいたことを明らかにした。

 NetXacticsによると、Sophosの研究者は、最新亜種のコードの中にアンチウイルス業界にあてたメッセージを発見した。「We searching 4 work in AV industry(AV(アンチウイルス)業界の職を探している)」と書かれたこのメッセージは、感染したユーザーのコンピュータには表示されないという。

 最新亜種のW32/MyDoom-VおよびW32/MyDoom-Uは、電子メールの添付ファイルを介して拡散する。ユーザーが添付ファイルを開くと、このワームが起動して「Surila」というトロイの木馬をダウンロードしようとする可能性がある。

 「これら亜種の作者が本気かどうかは分からないが、アンチウイルス業界の人々が彼らに接触することはないだろう。ウイルスを書く人間など、われわれは絶対に雇わない。不正コードを書くのは倫理にもとる上に、(そうしたコードの作者に)世界中のたくさんの人を日々の攻撃から守るソフトの開発を任せてもいいのかという信頼問題が起きる」とNetXacticsのCEO(最高経営責任者)ブレット・マイロフ氏は語る。

 Sophosは、信頼できるウイルス対策ソフトの開発に必要なスキルは、ウイルス作者が見せるスキルとはかなり違うと考えている。

 「ウイルス対策ソフトの開発はウイルスを書くよりもずっと難しい。ウイルス対策ソフトは確実に動作し、各種OSに感染する9万種類を超えるウイルスを検出し、ミスや問題なくさまざまなネットワーク構成を検知するように作らなくてはならない。ウイルス作者はコードがクラッシュするかどうか、互換性問題が起きるかどうかなど気にしない。天才でなくともウイルスは作れる」(マイロフ氏)

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