KNOPPIX 3.6日本語版には、手軽に使える2つのエミュレータが搭載されている。1つはCPUエミュレータQEMU。もう1つがLinux専用のエミュレータcoLinuxである。coLinuxは専用だけあって、実行スピードは実用レベルだ。その実力と便利さが相まって利用が定番化しそうなツールである。簡単に試せるので早速チャレンジだ。
まずはQEMUを動かしてみよう |
クリック一発でKNOPPIXを起動できるので、coLinuxを使う前にQEMUを試してみよう。Windowsが起動している環境でKNOPPIX 3.6のCD-ROM(Disk1)を挿入したら、qemu-0.6.0-windowsディレクトリ下にあるqemu-knoppix.batをダブルクリックする。すると、QEMUが起動し、KNOPPIXの起動画面になる(図1)。あとは通常のKNOPPIXと同じだ*。非常に簡単に起動でき、友達/同僚にLinuxを体験させたいときなどに便利だろう。
coLinuxとは? |
それでは本番のcoLinuxについて、その仕組みから紹介していこう。
coLinuxは、イスラエルの大学生Dan Aloni氏(コラム)が開発し、デジタルインフラの岡島氏、産業総合研究所の須崎氏らと作業が進められているLinux専用のエミュレータである。coLinuxのプロジェクトは、LinuxをさまざまなOS上で動かそうというもので、現状では、WindowsとLinux上で動作可能である。
coLinuxは、ホスト側で動くデーモンやドライバと、Linuxカーネル2.6のパッチから構成され、図2のようなイメージで動作する。ホスト側のカーネルには変更を加えず、カーネルドライバ*で対応し、ゲストとなるLinuxカーネル側を修正して(coLinuxカーネル)、2つのカーネルが調停して並列に動けるようになる*。
coLinuxカーネルはホストマシン上のデバイスを直接操作できず、仮想化されたハードウェア*を操作することになるが、Windows用ドライバが用意されていて動作していれば、その資源が利用できるといった面も出てくるだろう。
コラム coLinuxの読み方は「コーリナックス」 |
9月12〜25日の間、Dan Aloni氏がイスラエルから来日し、各所で講演を行った。9月16日に行われたJLAセミナー後の懇談会では、アクティブな岡島氏の段取りのもと、Dan氏から「coLinuxの読み方は『コーリナックス』にする」ということになった。
写真1 Linuxザウルスを手にハックな笑みが浮かぶDan Aloni氏 |
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