EU、バイオメトリクス搭載パスポートの採用で前進

顔面認証機能を搭載したパスポートの採用が、EUで進んでいる。(IDG)

» 2004年12月03日 14時07分 公開
[IDG Japan]
IDG

 欧州連合(EU)は加盟国のパスポートに生体認証を含める計画を進めている。2008年までに、パスポートに指紋を含むバイオメトリクスのデータが含まれる見込みだ。ただし、EUの公式筋では指紋データを必須とするかどうかについては検討中だという。

 欧州議会は12月2日、カルロス・コエルホ・レポートと呼ばれる報告書を承認した。この報告書は欧州委員会が発行したもので、EUのパスポートに使われるセキュリティ機能に関する標準規定の必要性を訴えている。この報告書では顔面認識による認証を提言している。バイオメトリクスの指紋認証を使用するかどうかについては参加国が選べるようになっている。

 コエルホ・レポートは欧州議会の471議員の賛成により採択された。反対票は118票だったという。EU閣僚会議はこの条例を3日に承認する見込みだが、指紋認証を必須とする予定だ。

 立法化に関しては2005年1月のEUの別の委員会で実装に関する詳細が2カ月にわたって議論される。検討終了後18カ月で顔面認証のパスポート組み込みが開始され、バイオメトリクス指紋認証が搭載されるには36カ月を要する。

 英国は来年からバイオメトリクス顔面認証をパスポートに組み込むことを既に決定しており、デンマークは欧州委員会の決定後6カ月以内にこの法案の採択を決める予定だ。英国、アイルランド、デンマークはEUの加盟国ではあるが、法案の実施に関しては特殊な取り決めがある。

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