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» 2005年01月14日 16時55分 UPDATE

Interview:QAの革新なくしては、世界水準のソフトウェアはつくれない (1/3)

ソフトウェア開発におけるQAの重要性が日本においても認知されつつある。サイボウスでは、マーキュリーの製品を導入してQAプロセスを一新するプロジェクトを積極的に推進中だ。そのプロジェクトのリーダーである加藤大受氏が、QAの現状、サイボウズの新しい挑戦を語った。

[ITmedia]

 1万8000社を超える導入実績を誇るWebグループウェア「サイボウズ Office シリーズ」「サイボウズガルーン」を開発・販売するサイボウズ。また、その製品は顧客満足度調査(日経コンピュータ誌/顧客満足度調査グループウェア部門)で4回連続一位を獲得するなど、品質面でもトップクラスの評価を獲得している。同社では、その品質をさらに揺るぎないものにするために、マーキュリーの製品を導入してQAプロセスを一新するプロジェクトを推進中だ。そのプロジェクトのリーダーである加藤大受氏が、わが国におけるQAの現状、サイボウズの新しい挑戦を語った。

見出し一覧

  • 日本のソフトウェアが直面するQAというシリアスな課題
  • テストの自動化が鍵を握るQAプロセスの刷新
  • 開発とQAの関係を変えていく「テスタビリティ」という発想

日本のソフトウェアが直面するQAというシリアスな課題

Q. サイボウズにおける現在のポジション、役割は?

加藤 当社では2004年の1月にQA(品質保証)に関わる組織を整備して、QAの仕組みを一新するプロジェクトを進めています。わたしが入社したのも2004年の1月で、現在ではQAマネージャとしてQAとDS(Development support)のグループの責任者となっています。このDSはとてもユニークなグループなので、後で詳しく紹介しましょう。

Q. それまではどのようなキャリアを積んできたのですか?

加藤 サイボウズに入社する前は、ボーランドに7年間在籍し、QAとして米国にて数多くの製品の試験業務や日本のプロジェクトマネージャとして働いていました。

QAに対する考え方やソフトウェアテストの自動化を目の当たりに見て経験してきたのです。

Q. QAに関する米国と日本の違いを実感しているのでは?

加藤 日本の場合、ソフトウェアの品質に対する考え方の幅が薄いというか、浅いというか、そのようなベンダーが多いように思います。特に、QAエンジニアのポジションには大きな差がありますね。

 日本では、QAエンジニアはプログラマーのサポートというか、プログラマーになれない人がやるという意識がまだ色濃く残っています。QAスタッフの数そのものも少なく、プログラマー対QAエンジニアの比率は米国では5対3くらいなのに対し、日本では20〜30対1くらいではないのでしょうか。

 QAエンジニアもプログラマーも目指している方向性が違うだけで、求められるスキルのレベルに差はありません。むしろ一部のソフトウェアでは、QAのレベルの方が高い必要すらあると思います。

Q. ソフトウェアテストの自動化についても同様でしょうか?

加藤 今、私たちがサイボウズでやろうとしていることは、実は10年前、私がボーランドに入社した時にはすでにそこで実現されていました。しかも、その手法はさらに数年前に遡ってほかのベンダーが開発したものでした。つまり、単純に計算しても12、3年は米国に遅れをとっているわけです。QAに関する書籍にしても、米国ではそれこそ山ほど出版されているのに、日本では最近になってやっと増えてきたという感じです。米国ばかりでなく、世界的に見ても、日本のソフトウェアテストは大きく遅れていると実感しています。

Q. なぜ、それほどQAに差が出るのでしょうか?

加藤 日本では、品質は高くて当たり前という、どこか甘えに似たような考え方があるように感じます。

 私は、ソフトウェアのQAに関しては性善説と性悪説の2つの考え方があると思うのです。プログラマーが書くコードは絶対に正しいのだから、それ以外をテストすればよいというのが性善説。一方、コードを1行書くたびに必ずバグは発生するものなのだから、あらかじめテストすることを考えて開発を進めるべきだというのが性悪説。欧米では性悪説が主流ですが、日本ではどうもまだ性善説が多いようです。

 日本では、プログラマーがよいコードを書けば優秀な製品ができるという考え方がいまだにあります。それは確かにメインフレームの時代なら言えたかもしれません。しかし、オープン系の時代となり、これほど組み合わせが膨大となった現在、ソフトウェアテストを軽視してはよい製品はつくれません。

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