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» 2005年02月18日 21時13分 UPDATE

無線ICタグの可能性 第1部:市場動向――無線ICタグが遍在するユビキタス時代

無線ICタグ利用のRFIDが注目されている。物流を中心とした研究がクローズアップされがちだが、現在ではその枠を超え、人とモノをつなげるという接続のソリューションとして捉えられている。

[Open Enterprise Magazine]
OPEN Enterprise magazine

無線ICタグを利用して個体を識別・認証するRFID(Radio FrequencyIdentification)システムが注目を集めている。これまでRFIDは、流通業界を中心にバーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められてきたが、現在ではその枠を大きく越え、人やモノをネットワークに接続するソリューションとして位置づけられるようになった。適用分野が非常に広範なことから、その可能性に大きな期待が寄せられている。

モノの識別と人の認証

 現在の身の回りにあるほとんどすべての商品には、バーコードが貼り付けられている。流通分野を中心として普及したバーコード・システムによって、個々の物品を識別し、情報入力の自動化や商品の流れを追跡できるようになった。もともとバーコードはキーボードに代わる入力手段として登場し、1960年代からPOS(販売時点情報管理)システムとしての実利用が始まった。そこから各業界ごとにバーコード・シンボルが考案され、標準化を経て現在に至っている。

 現在注目を集めている無線ICタグも、当初はバーコードを置き換えるものとして見られていたが、その特性や背景にある概念に対する理解が進み、適用アプリケーションの具体像が提示され始めたことで、いまではユビキタス社会の基盤技術とさえ言われるようになった。

 無線ICタグによるRFID技術が注目されているのは、バーコードに比べて扱える情報量が多く、情報の書き換えが可能で耐久性に優れているといった理由だけではない。その最大の理由は、人やモノをネットワークに接続できるからである。バーコードや2次元シンボルは、物流管理などの情報入力システムの一部として利用されてきたが、無線ICタグは、人やモノを電波で複数同時に認識し、それらを携帯情報端末のように情報システムの構成要素の1つとして扱えるようにする。

 RFID(Radio Frequency Identification)は自動認識技術の1つで、電波を利用した個体認識・認証技術を意味する。その情報メディアは、電磁誘導や電波による非接触通信と、情報を保持し個体認証を行なうためのアンテナとICチップで構成される。アンテナとICチップを組み合わせた基本部品を“インレット”と呼び、これを紙やプラスチック・フィルムなどでラミネート加工すれば“タグ”になり、プラスチック・カードに組み込めば無線ICカードになる。RFIDのタグは無線ICタグあるいは無線タグ、ICタグ、RFタグなどさまざまに呼称されているが、いずれもRFIDの情報メディアを指している。RFIDシステムは、この無線ICタグを人やモノに装着し、そこに格納された情報をリーダ/ライタ装置で読み書きすることで、個体の認識や認証を行なう。モノを自動認識する技術としては、RFIDのほかにもバーコードや2次元シンボル、磁気ストライプ、光学文字認識(OCR)などがあり、人を認証する技術としてはパスワードによる認証、公開鍵暗号による認証と署名、ICカードによる認証、生体認証(バイオメトリクス)などがあるが、人でもモノでも、同時に複数の個体を自動的に識別し認証できるのはRFIDしかない(表2参照)。

oe-hyo.gif 表1、2(PDFにて高解像度参照が可能)

オートIDとEPCグローバル

 現在のRFID技術は、バーコードの標準化団体であるUCC(UniformCode Council)が、次世代バーコード・システムを開発するために1999年10月に設立した「オートIDセンター」での研究成果を元にしている。オートIDセンターは、非営利研究機関として米国マサチューセッツ工科大学(MIT)内に本部を置き、グローバルなサプライ・チェーン上での製品の識別と追跡を可能にする国際的なネットワーク・システムの構築を目的として、英国(ケンブリッジ大学)やオーストラリア(アデレード大学)、日本(慶応義塾大学)、スイス(ザンクトガレン大学)、中国(復旦大学)に研究開発拠点を設置し、RFIDを利用するための研究開発を中心に標準規格の提案・作成、インフラ整備、新技術の評価、実証実験などを行なってきた。

 同センターには、コンピュータ・メーカーやソフトウェア・ベンダーのほかに、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジレット、ウォルマート、ユニリーバなど、現在のRFIDシステムの先進導入ユーザーとしてその名前が知られている企業も参加した。

記事の続きは、以下のPDFで読むことができます。


本特集は、ソキウス・ジャパン発刊の月刊誌「Open Enterprise Magazine」の掲載特集を一部抜粋で掲載したものです。次の画像リンク先のPDFで記事の続きを読むことができます。同特集は、2004年11月号に掲載されたものです。

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