Red Hat幹部、ソフトウェア特許とMSを批判

Microsoftのせいでセキュリティ問題に関する支出が劇的に増えており、「これはシェアードソースモデルの失敗だ」とRed Hat幹部のマイケル・ティーマン氏は指摘する。(IDG)

» 2005年04月20日 10時12分 公開
[IDG Japan]
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 Red Hatのオープンソース問題担当副社長マイケル・ティーマン氏は4月19日、MySQL Users Conference 2005で講演に立ち、ソフトウェア特許は革新を抑制するとしてあざけりの言葉を浴びせた。

 同氏はMicrosoftの「シェアードソース」アプローチも批判、シェアードソースプログラムでは、ユーザーはコードの閲覧はできても改変はできないと指摘した。

 ソフトウェア特許は大きな変化を実現することに対する挑戦だと同氏はこき下ろした。「ソフトウェア特許が栄えるたびに、この分野の革新は20年止まることになる」

 ソフトウェア特許は革新を抑える可能性があるという見方に、聴衆も同意した。「私はこれを大きな問題ととらえている」とカスタム開発会社Concurrent Technologiesのソフト技術者コーネリアス・シブランディ氏は話す。

 ティーマン氏は、Microsoftのせいでセキュリティ問題に関する支出が劇的に増えていると批判、「これはシェアードソースモデルの失敗だ」と指摘した。Microsoftはコードのセキュリティ向上に貢献するであろうユーザーコミュニティーの参加を促進してこなかったと付け加えた。

 シェアードソースでは、「コードを見ることはできるが、(コードを)触れるのはMicrosoftだけだ」と同氏。

 同氏はソフトライセンスの問題も取り上げ、オープンソースプロジェクト向けに登場したライセンスの種類の多さに触れた。同氏が会長を務めるOpen Source Initiative(OSI)はこの問題に注目しているが、最近拡大されたOSI理事会はその答えにたどり着いていないという。

 「われわれがこの問題を解決できる唯一の存在になるとは思っていない」とティーマン氏は講演後に語った。

 同氏の講演の前には、MySQLの創設者デビッド・アックスマーク氏とモンティ・ウィデニウス氏がMySQLの改良計画について話した。その1つとして、来年登場予定のバージョン5.1と5.2では、アドホッククエリーのサポートが改善されるとウィデニウス氏は明らかにした。この改善は新しいアルゴリズムにより実現されるという。

 MySQL関係者は、年内にリリース予定のデータベース設計プログラム「MySQL Workbench」も売り込んだ。このプログラムは2Dキャンバスでのデータベース開発を促進し、ユーザーが業務を文書化しやすくすることを目的としている。パフォーマンスチューニングアドバイザーも年末に登場する見通しだ。

 アックスマーク氏は、オープンソースは革新をもたらさないという見方を否定した。「私はオープンソースはBS(英工業規格)のようなものだと思っている。私はオープンソースを利用しており、オープンソースはユーザー全体の貢献を受け、常に小さなところで革新をもたらしてきた」

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